• 住宅ローンを組んで家を買うときは、変動金利と固定金利のいずれかを選ぶことになります。とくに変動金利は金利が安いので誰もが一度は検討するもの。公認会計士で家と住宅ローンの専門家である千日太郎さん監修の『不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より、変動金利を検討している人に向けて、金利上昇の際の救済措置や備えておきたいポイントをご紹介します。

    固定金利か変動金利か。住宅ローンの金利とは。

    画像: 固定金利か変動金利か。住宅ローンの金利とは。

    住宅ローンの金利タイプは「変動金利」と「固定金利」の大きく2つのタイプがあります。

    「変動金利」は、銀行が必要に応じて金利を変動させることができるタイプで、「固定金利」は借入期間にわたり、金利を固定するタイプです。

    変動金利の方が、金利が安い理由は、家を買う人が金利変動リスクを背負うためです。

    銀行は日本銀行に金利を払いお金を借りて、家を買う人にお金を貸しています。将来金利が上昇したとき、変動金利なら、住宅ローンの金利を上乗せすることで利益を出すことができます

    しかし固定金利の場合は、金利を上乗せできず銀行が損することもあります。固定金利が変動金利よりも金利が高いのは、銀行が金利変動リスクを負うためです。

    変動金利でも守ってくれるルールがあります

    画像: 変動金利でも守ってくれるルールがあります

    変動金利は、住宅ローン利用者が負うリスクは高いのですが、金利が安いので、誰もが一度は検討するでしょう。

    金利が上がったときに備え、繰り上げ返済のための貯蓄を行うことは必須ですが、「5年ルール」と「125%ルール」という変動金利のルールと、「住宅ローン控除制度」によって、利用者のリスクはかなり軽減されてきます。

    ・5年ルール
    金利が上がったとしても、5年間はそれまで支払っていた毎月の返済額を支払い続ければOKというルールです。急に返済額が増えるわけではありません。

    ・125%ルール
    金利が上がってから5年間が経過して、毎月の返済額を増やすときに、それまで支払っていた毎月の返済額の125%を上限にするというルールです。このルールは5年間適用されます。

    ・住宅ローン控除制度
    住宅ローンの利息を国が請け負ってくれる減税制度です。

    金利上昇の備えにやるべきこと2点

    画像: 金利上昇の備えにやるべきこと2点

    中古マンション購入時にチェックしたおきたいのは、「長期修繕計画」と「管理組合」です。

    まずひとつ目は、「毎月の返済額の1/4以上を毎月貯蓄する」こと。毎月の返済額の1/4が貯蓄できていれば、「125%ルール」に対応できるからです。

    そして、ふたつ目が「毎月の貯蓄と返済額を、手取り月収の4割以下にする」こと。4割以下というのは、サラリーマンの平均的な月収を考えた、無理のない返済額の目安だからです。

    私たちにできるのは、金利が上がる前や、住宅ローン控除制度が適用される13年間(または10年間)のうちに、繰り上げ返済のための貯蓄をしておくことです。

    ですから、コツコツ貯蓄ができるタイプの人や、繰り上げ返済でローン残高をコントロールできるタイプの人、後に家の買い替えを考えている人なら、変動金利を選択しても大丈夫だと思います。

    〈監修/千日太郎、マンガ・イラスト/木村 豪〉

    本記事は『不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』からの抜粋です

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    『不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社・刊)

    画像: 「無理のない返済」のために知っておきたい“住宅ローンの金利”のはなし|不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方/公認会計士・千日太郎さん

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    千日太郎(せんにち たろう)

    オフィス千日合同会社代表社員、公認会計士。1972 年兵庫県生まれ。

    公認会計士の資格と名前を伏せてはじめた「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな? に答える」の超現実的で有益な内容が評判を呼び、住宅ローン、不動産分野で大人気のブロガー、コラムニストとして現在に至る。

    「価値ある情報は誰もが無料で入手できることでさらに価値を増殖させる」という信念のもと、一般の人からの相談を受けつけ、YouTube で回答を公開する「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」もスタートした。

    人並みはずれた分析力と的確なアドバイスに評価が集まり、日々視聴者からの相談が途絶えることがない。著書に『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』、『家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本』( いずれも日本実業出版社) がある。



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