• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、7~8月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。発酵料理は腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる食べ物として注目されています。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格の「旬」の食材をつかった保存食づくりを始める人も。栄養価が高いだけでなく、たくさん買ってもむだなく使いきれ、節約につながるのも魅力です。今回紹介するのは、「ピーマンの香味漬け」です。

    ピーマンの薬膳的効能ついて

    ピーマンは気のめぐりをよくして、暑さで高ぶった気持ちを鎮めたり、上半身の熱や胸苦しさ、不安感などをやわらげる働きがあります。

    胃の働きも整えるので、食欲の落ちやすい夏に最適です。

    夏は心臓の働きが低下しやすいのですが、ピーマンの苦味を生み出すピラジンやクエルシトリンという成分は、血行を促進して高血圧を予防するなど、心臓の働きを助けることがわかっています。

    また、緑色の葉緑素や豊富なビタミンCやE、βカロテンは抗酸化作用が高く、夏の紫外線から体を守るのにも役立ちます。

    【保存食】ピーマンの香味漬けのつくり方

    画像: 【保存食】ピーマンの香味漬けのつくり方

    ほどよい苦味とシャキシャキとした歯ごたえが特徴のピーマンですが、子どもには人気のない野菜の代表格ではないでしょうか。

    でも、しそやしょうがなどの香りのよい薬味と一緒に塩で漬け込み、生でいただくと、煮たり焼いたりするよりも、むしろ苦味が抑えられて、サラダのようにもりもり食べることができます。

    ピーマン嫌いな方こそ、ぜひ試していただきたい一品です。

    材料(つくりやすい分量)

    ● ピーマン5個
    ● 青じそ5枚
    ● しょうが1片
    ● 塩ピーマンの重量の2.5%
    ● 酢(または梅酢)小さじ1
    ● ごま油大さじ1
    ● 白炒りごま大さじ1

    つくり方

     ピーマンはへたを取り、種やワタごとできるだけ細いせん切りにする。青じそしとしょうがもせん切りにする。

    画像: 種やワタも栄養価が高く、甘味があるので、取り除かずに一緒に切る

    種やワタも栄養価が高く、甘味があるので、取り除かずに一緒に切る

     に塩をふってよく混ぜ、酢とごま油とともに密閉袋に入れる。

     袋の上からよくもんで、冷蔵庫で2〜3日おく。味がなじんで酸味が出てきたら食べごろ。器に盛って白ごまをふる。

    ※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。



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