ピーマンの薬膳的効能ついて
ピーマンは気のめぐりをよくして、暑さで高ぶった気持ちを鎮めたり、上半身の熱や胸苦しさ、不安感などをやわらげる働きがあります。
胃の働きも整えるので、食欲の落ちやすい夏に最適です。
夏は心臓の働きが低下しやすいのですが、ピーマンの苦味を生み出すピラジンやクエルシトリンという成分は、血行を促進して高血圧を予防するなど、心臓の働きを助けることがわかっています。
また、緑色の葉緑素や豊富なビタミンCやE、βカロテンは抗酸化作用が高く、夏の紫外線から体を守るのにも役立ちます。
【保存食】ピーマンの香味漬けのつくり方
ほどよい苦味とシャキシャキとした歯ごたえが特徴のピーマンですが、子どもには人気のない野菜の代表格ではないでしょうか。
でも、しそやしょうがなどの香りのよい薬味と一緒に塩で漬け込み、生でいただくと、煮たり焼いたりするよりも、むしろ苦味が抑えられて、サラダのようにもりもり食べることができます。
ピーマン嫌いな方こそ、ぜひ試していただきたい一品です。
材料(つくりやすい分量)
● ピーマン | 5個 |
● 青じそ | 5枚 |
● しょうが | 1片 |
● 塩 | ピーマンの重量の2.5% |
● 酢(または梅酢) | 小さじ1 |
● ごま油 | 大さじ1 |
● 白炒りごま | 大さじ1 |
つくり方
1 ピーマンはへたを取り、種やワタごとできるだけ細いせん切りにする。青じそしとしょうがもせん切りにする。
2 1に塩をふってよく混ぜ、酢とごま油とともに密閉袋に入れる。
3 袋の上からよくもんで、冷蔵庫で2〜3日おく。味がなじんで酸味が出てきたら食べごろ。器に盛って白ごまをふる。
※冷蔵庫で2週間ほど保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)、『二十四節気のお味噌汁』(WAVE出版)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」