(『天然生活』2023年7月号掲載)
“入ってくるお金”を口座別に使う、“ためる”を振り分ける
毎月の収入は、給与明細や口座できちんと把握しておきたいもの。副収入や臨時収入などを含めて、わが家には今月いくら入ってくるのかをきちんと知っておくようにしましょう。
共働きでお財布が別の場合も、お互い、どれだけ収入があって貯蓄はどれくらいしているかはなるべく共有します。
入ってくるお金の流れを整えるには、銀行口座を目的別に分けるのが有効です。家計の収入は給与振込口座にまとめ、そこから貯蓄用、予備用などの専用口座に振り分けて使います。
「口座を使い分けることで入るお金の流れを整えると、“使えるお金はこれだけ”とはっきりして、それ以上使うことがなくなります。
あとはほったらかしにしておけば、貯蓄口座にお金がたまっていくので、貯蓄を増やすことができます」
銀行口座を赤・青・黄の3つで管理
銀行口座を目的別に3つに分けて、家計を自動的に管理。使えないお金がはっきりするので使いすぎ防止となり、ほったらかしでお金がたまります。
必要に応じて老後資金、教育資金などの専用口座を増やす方法もありです。
赤の口座
手をつけない貯蓄用
将来の使いみちが決まっている貯蓄用口座。毎月一定額をコツコツためるようにする。ためる目的別に口座を分けておくのもおすすめ。
使いみち ●老後資金 ●教育資金 ●車の購入 ●旅行・帰省など
おすすめ口座 ●ネット銀行(会社の財形貯蓄や自動積立定期預金でもOK)
青の口座
給与入金&生活費
給与が振り込まれる口座をそのまま生活費の引き落としにも使うメイン口座に。クレジットカードの引き落としもこの口座にひも付けて。
使いみち ●食費、外食費 ●水道光熱費 ●洋服・美容代 ●その他生活費全般
おすすめ口座 ●都市銀行 ●地方銀行 ●ゆうちょ銀行など
黄の口座
いざというときの予備費
突発的にお金が必要になったときに引き出す用の口座。ボーナスやお金に余裕があるときに入金しておく。常時10〜30万円程度あると安心できる。
使いみち ●冠婚葬祭 ●家電やスマートフォンの買い替え ●突然の帰省など
おすすめ口座 ●ネット銀行
このひと手間をプラス
自動積立定期→定期預金への預け替え
銀行の金利は低くても、積立定期預金や定期預金は「元本保証」という安心感が大きなメリット。
お金をためるには、まずは「預貯金の自動積立」が基本中の基本なので、会社に給与天引きの社内預金、財形貯蓄があればぜひ利用を。
これらの制度が利用できない人は給与などの振込口座から自動積立定期預金を申し込みます。
ネット銀行の「自動入金サービス」を利用してネット銀行を積立定期預金専用にしてもいいでしょう。月2〜3万円でも長く積み立てれば、気がつくとまとまったお金になります。
積み立てが100万円単位になったら、金利の高い「定期預金」へ預け替え。ここでも金利が高いネット銀行がおすすめです。
〈監修/西山美紀 イラスト/ホリベクミコ 構成・文/工藤千秋〉
西山美紀(にしやま・みき)
ファイナンシャルプランナー。出版社で編集・マーケティングを経験後、2005年にライターとして独立し、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、日常に潤いをもたらすような、わかりやすいお金のため方・使い方を提案し、各メディアで活躍する。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)などがある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです