• 45歳までパート勤め、54歳で起業した中道あんさん。我慢やお金の不安から解放されて、セカンドライフを自由に生きるために、自分自身との向き合う「棚卸し」の作業をしたといいます。『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社)より、自分らしい人生を切り開くため「思いをアウトプットして可視化する」ことについてのお話を紹介します。

    父の死を経験して思ったこと。“後悔しないほうを選ぶ”がものさしに

    私は54歳で起業を決意しました。とはいえ、会社勤めを辞めると毎月の給料がなくなるわけですから、相当な不安を抱えながらの決意でした。

    会社員時代に、一度だけ転職して大幅に収入が上がったことがあります。そのときは出世魚の気分を味わいましたが、起業となるとそうはいきません。今度はサナギがチョウになるような、今までとは違った世界で生きていく覚悟が必要なわけですから。

    しかも私は学歴がなく、資格も持っていないので、万が一失敗したら正社員の道はほぼ100%の確率で断たれてしまうでしょう。

    そのような大きな覚悟がいるにもかかわらず、なぜ起業したいと思ったのか。

    それは、シニアを目前に自らの老後をリアルに想像するようになったからです。私は今後“どう生きたいのだろう”と、自問自答しているうちに、“後悔のない人生を送りたい"と考えるようになりました。

    その思いに導いてくれたのは、父の死です。

    私は48歳のときに父を亡くしました。ふたりっきりの静かな病室の中に響く、父の心電音。ゆっくりとリズムを刻む“生"の音を聞きながら、“人は死ぬんだ"と痛烈に感じました。

    今までどこか遠いものだと感じていた死が、こんなに身近なものだったなんて。私自身もいつかは死ぬ。そしてどうせ死ぬのなら、後悔しない人生を歩みたいー。

    人生は選択の連続です。この経験が、“するorしない”の選択をするときに、“後悔しないほうを選ぶ”という私のものさし(信念)になりました。

    画像: 父の死を経験して思ったこと。“後悔しないほうを選ぶ”がものさしに

    ノートに書き出して、思いを可視化しよう

    この先、“物書き”という仕事を副業にとどめながら会社員として働くこともできます。

    でも起業にチャレンジしなかったらきっと後悔する。失敗して後悔するより、やらずに後悔するほうが一生残る。そう思いながらも、起業を決意するには、まだ覚悟ができませんでした。

    そこで、ノートに自分の正直な思いを書き出して、この願望の真意を確かめてみることにしました。

    頭の中で考えているだけでははっきりしない思いを可視化することで、その思いを明確にできるのでは、と考えたのです。

    私がノートに書き出した言葉。それは“雨の日に、仕事に行きたくない”“満員電車に乗りたくない”“週5日、働きたくない”“祝日、盆正月は休みたい”“嫌なことはしたくない”など、したくないことだらけでした。

    というのも当時の私の幸せは、“何かを得たい”というよりも“手放す”ことだったから。これらをすべて手放すには「副業」では難しく、「起業」の道しか見当たらなかったのです。

    起業にはリスクが伴います。今まで以上にしんどいことのほうが多いかもしれません。それでも、その道を覚悟することができたのは、この可視化のおかげです。

    そして、この“思いを可視化する”という行為には、ほかにもこんなメリットが。

    ・何かを選択するとき迷いにくくなる
    ・周りに流されにくくなる
    ・幸せを感じやすくなる
    ・不安を解消しやすくなる
    ・後悔しにくくなる
    ・しなやかに強く生きられるようになる
    ・オリジナルの〝ブレない軸〞が持てる
    ・人生をプロデュースしやすくなる

    自分のことなのになかなか自分で決められない。そういうことは誰にでもあることではないかと思います。だからこそ、人生にはコンパス(指針)が必要

    ノートに思いを書き出して、気持ちを整理することは、このコンパスを手に入れるための唯一の方法です。

    本記事は『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社)からの抜粋です

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    『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社)

    『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社)|中道あん

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    我慢やお金の不安から解放されて自由に生きる!
    実り多き人生後半戦を迎えるためのライフシフトアドバイス

    老後の生活資金や過ごし方など、今後の生活の心配を棚に上げたまま「とりあえず」で今日を過ごしてしまってはいる人が多くいるのではないでしょうか。不安を「埋める」ために、まずは自分自身の棚卸しを行い「内側の問題」に向き合いましょう。

    45歳までパート勤め、54歳で起業。自分と向き合い将来像を描くために「棚卸し」の作業をした中道あんさん。充実したセカンドライフを開拓するための、自分自身との向き合い方、これからの働き方やお金の生み出し方の構築などについて、ていねいにアドバイスします。より楽しく、より明るく60代からの黄金期を過ごすために、自分の中に眠っている「資産」を掘り起こして、攻めの姿勢で生きてみませんか。



    〈イラスト/オヤスマー〉

    中道あん(なかみち・あん)
    著述家、株式会社LSB代表取締役。アラフィフ世代を中心に、より豊かに生きるマインドセット術、ブログやSNSなどの発信の方法、個人起業の手法などをコンサルティングしている。生き方・健康・人間関係・お金を視点にライフシフト術を発信。Ameba公式ブログ「女性の生き方ブログ! 50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。著書に『「誰かのために」を手放して生きる』(自由国民社)、『ビバ!還暦 60歳海外ひとり旅はじめました』(主婦の友社)など。
    HP:https://lifeshift-ann.com/
    インスタグラム:@gaku.an



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