(『天然生活』2020年10月号掲載)
お気に入りの服を長く大切に着る幸せ
「ここ数年、新しい服は買っていないんですよ。20年、30年と着ている服もたくさんあります」と坂井より子さん。おしゃれの定番は、シンプルなTシャツにギャザースカートの組み合わせです。
「家事はしゃがむ姿勢が多いからスカートのほうが動きやすいし、ズボンは膝が出ますから、ほとんどはかないですね」
愛用しているのは自身でパターンを引いたスカートです。綿や麻などの天然素材で、クローゼットにはシックな色が並んでいます。
「何にでも合わせやすい紺やグレーが好きです。派手な色の服は着ていて落ち着かないんです」
流行やブランドにとらわれず、お気に入りの服をときにお直ししながら、着つづけている坂井さん。
「思い出も積み重なって捨てられないんです。新しい服も素敵だけれど、好きな服を長く大切にするのが、性に合っているみたいです」
クローゼットの内訳
春・夏
● カットソー(Tシャツなど半袖) | 10枚 |
● ブラウス、シャツ(半袖) | 4枚 |
● タンクトップ、キャミソール | 4枚 |
● ワンピース | 5枚 |
● スカート | 10枚 |
● パンツ | 3枚 |
● ジャケット | 3枚 |
● 巻き物(リネンやコットン) | 8枚 |
ワンピース5枚にスカート10枚と、圧倒的にスカート派。Tシャツやワンピースの首元にかかせないリネンのストールも多めで、ふわりと巻くより細くねじって小さめに巻くのが坂井さん流。
「首元が暖かければ安心です。大げさにするより、さりげなく巻くほうが好きですね」
通年
● カットソー(長袖) | 5枚 |
● ブラウス、シャツ(長袖) | 5枚 |
● ニット(プルオーバータイプ) | 0枚 |
● カーディガン | 5枚 |
● パーカ | 0枚 |
● ワンピース | 6枚 |
● スカート | 15枚 |
● パンツ | 3枚 |
● デニムパンツ | 0枚 |
● ジャケット | 5枚 |
● コート(薄手) | 0枚 |
● 巻き物(コットン) | 8枚 |
最も多いのが通年着られる服で、「そのほうが経済的でしょ」と坂井さん。フェミニンな装いが好きで、パーカやデニムなどのカジュアルなアイテムは0枚。
そのかわり15枚とたくさん所有しているのがスカートで、そのほとんどはコットンやリネンの生地で作ったお手製。
秋・冬
● カットソー(長袖) | 4枚 |
● ブラウス、シャツ(長袖) | 6枚 |
● セーター(プルオーバー) | 5枚 |
● カーディガン | 3枚 |
● パーカ | 1枚 |
● ワンピース | 0枚 |
● スカート | 5枚 |
● パンツ | 3枚 |
● ジャケット | 4枚 |
● コート(薄手) | 2枚 |
● コート(厚手) | 3枚 |
● 巻き物(ウールやカシミヤ) | 10枚 |
車で移動することが多く、かさばるコートを着るより、ジャケットにストールを巻くのが冬の定番スタイル。巻き物が10枚とほかのアイテムより多いのはそのためでバリエーションをつけて楽しんでいる。
秋・冬のワンピースが0枚なのは、重ね着が苦手で、ワンピースの上にセーターは着ないからなのだとか。
坂井さんの服グラフ
クローゼットの工夫
着ていない服は茶箱と柳行李に
親から譲り受けた茶箱と柳行李には、愛着があって捨てられない服をしまっている。
「茶箱は防虫や防湿効果があり、服の収納には最適です」
ストールは玄関の和箪笥に
年中、愛用しているストール類は、クローゼットではなく玄関に置いた和箪笥に収納。
出かける直前に巻くことが多いため、動線を考えてのこと。
美しいかごバッグは飾るように
手仕事の美しさが光るかごは、山葡萄の蔓やアケビで編まれたもの。
リビングの一角に設けた棚に置いた見せる収納で、手に取りやすくしている。
<撮影/有賀 傑、山田耕司 取材・文/長谷川未緒>
坂井より子(さかい・よりこ)
1946年生まれ。神奈川県葉山在住。主婦歴40年の経験を生かし、やさしい家庭料理の伝授と暮らしの知恵を交えた語りが、さまざまな世代の女性から人気を集める。お話会は若いお母さんの支えにも。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです