(『天然生活』2022年10月号掲載)
お米の“懐の深さ”に感謝して
水分が多く香りの強い新米の時期。時間を経て水分が抜け、粒感が前面に出てくる古米の時期。それぞれに炊き方は変わります。
古米に少しもち米を加えてみたり、水分を多くしておかゆにしてみたり。鍋に残ったおこげに水を加え、雑炊にするのも楽しいもの。
「旬の素材をなんでも受け止めてくれる、本当にお米って懐深い素材です。春の桜えびやほたるいか、秋のさんまや鮭など、その時々の素材とごはんの組み合わせを味わえる。『日本人に生まれてよかった』と思う瞬間ですよね」
「鮭ごはん」のつくり方
秋に旬を迎える鮭と新米を合わせた、季節の混ぜごはん。鮭を香ばしく焼き、薬味をたっぷり加えると、風味も豊かに。
材料(つくりやすい分量)
● 米 | 2合 |
● 生鮭の切り身 | 1切れ |
〈幽庵だれ〉 | |
しょうゆ、みりん、酒 | 各適量(1:1:1の割合で混ぜる) |
● 青ねぎ | 1/2束 |
● 青じそ | 1束 |
● すだち | 1/2個 |
● 白炒りごま | 少々 |
つくり方
1 生鮭は幽庵だれにひと晩漬けておく。
2 魚焼きグリルで1をこんがりこげ目がつくまで焼く。
3 青ねぎは斜め薄切り、青じそはせん切りにする。
4 米をとぎ、30分ほど水にひたし、ざるに上げる。鍋または炊飯器に米を入れ、分量の水を加えて炊く。
5 炊き上がったらふたを開け、2、3をのせ、ふたを閉じて10分ほど蒸らす。ふたを開け、すだち果汁をしぼって白ごまをふり、鮭をくずすように混ぜる。
〈撮影/今津聡子 取材・文/田中のり子〉
野村友里(のむら・ゆり)
長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングやイベント、ラジオ、出版など幅広く活躍。2012年原宿に「restaurant eatrip」を、19年表参道に「eatrip soil」をオープン。EATRIP JOURNAL
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです