知っておきたい、洗濯前の基本の“キ”
大切な衣類の色落ち、色移しを防ぎたい、汚れや臭いをきちんと除去したいと思ったら、“洗濯前”が大事。
ちょっとしたコツで快適、清潔に洗いましょう。
洗濯前の基本
準備1 色落ちする物を分けて洗う
色の濃い天然繊維(綿・麻・ウール・シルクなど)は色落ちしやすく、他の衣類に色移りすることがあります。色の薄い物と一緒に洗濯せずに、色の濃い物同士で洗濯します。
特に色の濃いデニムやTシャツ、パーカーなどは色落ちしやすいので注意が必要です。合成繊維(ポリエステル・ナイロン・アクリルなど)は色落ちしにくいので分けて洗う必要はありません。
洗濯前の基本
準備2 シミ汚れの前処理を行う
気になるシミ汚れがある場合は、ぬるま湯と洗剤を付けてブラシで軽く叩きましょう。
洗濯しても落ちないシミ汚れは、お湯+洗剤+酸素系漂白剤を付けてブラシで叩いて、しばらく時間をおいて洗濯します。
洗濯前の基本
準備3 汚れがある物を下に入れる(縦型洗濯機の場合)
洗濯機の底にあるパルセーター(回転羽根)が当たる部分が、洗濯物の汚れが最も落ちやすい部分です。
そのため、汗の臭いや汚れが気になる衣類(靴下やインナーシャツなど)は、洗濯機の一番下になるように最初に入れましょう。
汚れの少ないバスタオルやデリケートな女性用下着などは後から入れると、ダメージが少なく硬くなりにくくなります。
洗濯前の基本
準備4 色の濃い物は裏返して入れる
洗濯する際に摩擦によって白っぽくなるのを防ぐために、濃い色の洗濯物は裏返してから洗うようにしましょう。
また、洗濯ネットに入れることで、摩擦を減らすことができます。
そして、裏返したまま干すことで、紫外線による日焼けを防ぐ効果もあります。
乾燥機での乾燥は、裏返したまま乾燥させることで、表面の摩擦が減って衣類が白っぽくなるのを防ぐことができます。
洗濯前の基本
準備5 汗の臭いが気になる物は裏返す
インナーシャツや靴下などの衣類は皮脂汚れが内側に付着するため、裏返して洗うと皮脂汚れが落ちやすくなり、嫌な臭い防止にも効果的です。
汚れや臭いが気になる衣類は、洗濯ネットに入れると汚れが落ちにくくなりますので、洗濯ネットに入れずに洗濯するとよいでしょう。
本記事は『魔法の洗濯術』(コスミック出版)からの抜粋です
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クリーニング屋さんが教える「脱ドライ」の洗濯術
ダウン、フリース、セーター、フェイクレザー、スニーカー、スーツ、ワイシャツ、コート……これらの衣類などは全部、ご家庭の洗濯機で洗えるのです。直接肌にふれる衣類だからこそ、体にも自然にもお財布にもやさしい、水洗いのおうち洗濯がおすすめ。合成洗剤は使わない、サッパリした石けんの汚れ落ちや仕上がりは、魔法のように実感できるはず。洗濯のプロだから知っている洗濯の真実。白栄舎クリーニング代表・茂木孝夫さんが30年以上続けている講演会で参加者から寄せられた洗濯のお悩みとその回答を惜しみなくフィードバックします。
〈イラスト/吉田一裕〉
茂木孝夫(もぎ・たかお)
白栄舎クリーニング代表。30年前生協の「石けんと合成洗剤の違い」学習会をきっかけに石けんを使ったクリーニングに転換し、その後、書籍やテレビやラジオで紹介される。子が7人いて、第4子が重度のアトピー性皮膚炎だったため、洗剤や食品の安全性や環境問題に関心を持つようになる。生協や自治体を中心に「カラダにいい洗濯術」の講演を全国で150回以上行っている。著書に『家庭(うち)でできるカラダにいい洗濯術』(コスミック出版)。