• 充実した毎日を過ごすために大切な、夜時間の使い方。宅配レストラン「桃花源」オーナーの伊藤千桃さんに明日への活力を養うための夜の時間割を伺いました。部屋に飾られた人形や家具、バティックなど、伊藤さんのルーツであるインドネシアの調度品はも素敵です。
    (『天然生活』2023年10月号掲載)

    夜空を見たり、ストレッチをしたり、ひとり自分と向き合う夜時間

    宅配レストラン「桃花源」のオーナー・伊藤千桃さんは、豊かな自然に恵まれた神奈川県葉山町の山麓で、自然の流れに沿った暮らしをしています。

    夕刻には入浴と晩ごはんを済ませ、日没後は夜空を見たり、ストレッチをしたりして、ゆったりと過ごす。この習慣は、20年以上前から変わっていないのだそう。

    そんな伊藤さんの、静かに自分と向き合う、夜時間の過ごし方を教えていただきました。

    * * *

    前回のお話はこちら▼

    伊藤さんの「夜の時間割」

    16:00庭仕事
    17:00庭のハーブを煮出してお風呂に入れる、入浴
    17:30夕食の支度
    18:00夕食
    19:00気になる部分をさっと掃除、ちょっとした模様替えで部屋を整える
    20:00読みかけの本を読む
    21:00ストレッチをしたり、四股を踏んだり
    22:00就寝

    夕方からの夜時間の過ごし方

    17:00 庭のハーブを煮出して入浴剤に

    画像: 17:00 庭のハーブを煮出して入浴剤に

    エントランスの横に群生したローズゼラニウムを摘んで、ステンレスの鍋で煮出し、香りが立ったら煮汁を浴槽に投入。

    「わが家は、暑い時季でも必ず浴槽にお湯をためて自家製の入浴剤を入れています。よく使うのは、ローズゼラニウム、ミント、みかんの皮、お塩。ハーブは鍋で煮出して煮汁を浴槽に入れています」

    画像: ローズゼラニウムをステンレス製の鍋に入れ、ひたひたの水で煮出せば香りのいい入浴剤に

    ローズゼラニウムをステンレス製の鍋に入れ、ひたひたの水で煮出せば香りのいい入浴剤に

    18:00  夕食は早い時間にしっかりいただく

    画像: 「食いしん坊なので朝から夕食の献立を考えています」。愛用している竹製のトレイはタイで購入

    「食いしん坊なので朝から夕食の献立を考えています」。愛用している竹製のトレイはタイで購入

    伊藤さんが、一日に取る食事は朝2回と昼、夕の計4回。

    「朝が早いので、夕方にはおなかがペコペコ。真夏でも食欲が落ちたことがなく、料理をするのが面倒と思ったこともないんです」

    この日は、生こしょうが効いたポークソテーがメインで晩酌はハイボール。えびのサラダと、砂肝とセロリの葉の炒め煮で、タンパク質を摂取。

    19:00  気になるところを、軍手を使ってさっと掃除

    画像: 軍手を掃除に使い始めたのは、子育てに追われていた40年前から。「なでるだけでほこりが取れてラクちん」

    軍手を掃除に使い始めたのは、子育てに追われていた40年前から。「なでるだけでほこりが取れてラクちん」

    伊藤さんのルーツであるインドネシアのものを飾ったコーナー。人形や木製家具などの掃除には軍手を活用。

    「操り人形は伝統的な人形劇で使われるもので従兄弟からのプレゼント。つくりが繊細なので軍手でそっとなでてほこりを取っています」

    壁に飾られている絵画は、従兄弟に連れられて行ったジャカルタの芸術村で若手アーティストから買ったもので約100年前のジャカルタの風景。

    19:00 ちょっとした模様替えで部屋を整える

    画像: 椅子は40年以上前に葉山の骨董店で購入。「古い椅子や座布団も布でカバーすれば見違えます」

    椅子は40年以上前に葉山の骨董店で購入。「古い椅子や座布団も布でカバーすれば見違えます」

    ダイニングの古い椅子に座布団を敷き、バティックを巻き付けてカバーに。布を巻くだけで雰囲気が変わります。

    「座布団は友人からもらった年代物。上質なものなので活用することに」

    バティックはインドネシア人の従兄弟のお土産と父の墓参りで行ったマドゥラ島で見つけた王族ゆかりのもの。工場を見学して購入したお気に入り。

    画像: 大切なバティックは通気性のいい竹製のかごに収納

    大切なバティックは通気性のいい竹製のかごに収納

    20:00  読みかけの本を読む

    画像: 詩集は孫からのおさがり。「秋になると、詩が心に刺さるんです」

    詩集は孫からのおさがり。「秋になると、詩が心に刺さるんです」

    就寝前の読書が日課。秋は詩を読むことが多く、いまの愛読書は『繰り返し読みたい日本の名詩一〇〇』(彩図社)。

    「茨木のり子さんの『自分の感受性くらい』という詩の“ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて”が印象的で、うふふと笑いながら自分を戒めるために繰り返し読んでいます」

    21:00  ストレッチをしたり、四股を踏んだり

    画像: 愛犬のジゲン(フレンチブルドッグ)にじゃまされながら、腕を上げてストレッチ

    愛犬のジゲン(フレンチブルドッグ)にじゃまされながら、腕を上げてストレッチ

    ストレッチは20年以上前からの習慣でテレビを見ながら“無”になって行うのがポイント。

    「寝る前に、全身をほぐしています。以前、草むしり中に肩を痛めて腕が上がらなくなったことがあり、肩はとくに念入りに」

    さらに気が向いた夜は、四股を踏んで体幹トレーニング。「数回踏んだだけで、股関節がほぐれ、下半身が鍛えられます」

    伊藤さんの夜時間の楽しみ

    家族が集まる時間

    画像: 伊藤さんの夜時間の楽しみ

    伊藤さんには同居している娘親子のほかに、近くに住む長男家族がおり、孫は計4人。

    「年に数回、わが家に集まり、だれかの誕生会を開いています。テーブルにはケーキや大皿料理を並べ、大宴会に」

    写真は最近好評だった、えびとじゃがいもとセロリのサラダ。


    〈撮影/小禄慎一郎 取材・文/坂口みずき〉

    伊藤千桃(いとう・ちもも)
    1950年ジャカルタ生まれ、1972年度ミス日本、元女優。結婚後、子育てのために葉山に移り住む。離婚後は「桃花源」の屋号でレストランを営み、旬の地野菜を使った料理で人気に。現在はデリバリーや民泊などを行う。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)。庭の薬草をブレンドした自家製のお茶を販売中。https://chimomo.official.ec/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    天然生活2024年10月号では「私が整う夜時間」を特集しています。

    「今日のやらなければいけないことを片づけ、心と体をほぐす、いやしの夜時間。

    新しい明日を迎えるために、まずはまっさらな自分へとリセットを」

    ぜひご覧いただけましたら幸いです。

    画像: 自身のルーツ、インドネシアの調度品に囲まれて。桃花源オーナー・伊藤千桃さんの、ゆったり自分と向き合う“夜の時間割”

    天然生活 2024年10月号
    https://shop.tennenseikatsu.jp/items/89902065



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