(『天然生活』2020年8月号掲載)
一度きりの人生を楽しく過ごすために
あなたよりも少し前の道を歩んでいる私の経験が、もしも何かの役に立つのなら、これほどうれしいことはありません......弓さんからのまごころメッセージ。
40代の方へ
40代は前半と後半で大きく異なります。前半は見かけも体力も30代の延長。
後半になると、体調の変化や体力の衰えを痛切に感じます。着ていた服が急に似合わなくなるときでもありますが、新しいおしゃれに挑戦するチャンスと、ぜひポジティブ変換を。
経済面も含めて、そろそろ老後のことを考え始めましょう。
50代の方へ
いつも使っている基礎化粧品をランクアップする時期です。
体力の低下に加えて、記憶力、集中力、判断力などの能力も落ちてきます。それは当然のこと。
無理をしないで、しっかり眠る。良質のものを適量いただく。安心してたまに愚痴をこぼせる友をもつ。打ち込める楽しみをもつ。
乗り切るコツはこの4つです。
60代の方へ
更年期がつらかった人も、ほとんどの方がここにきて、嘘のように解放されます。
友人や家族と、たくさん旅に出かけましょう。おっくうがらずに、体を鍛えることはお忘れなく。
信頼できる主治医を探しておくと、安心です。
また、10歳、20歳下の友人をつくるように努力しましょう。老後が楽しく心強くなります。
70代の方へ
転ばないこと。これが、一番大事です。転倒=骨折につながる年代ですが、この年代で骨折すると、治りが遅いばかりか、寝込むことで体のほかの機能にも悪影響が出てきます。
暮らしでは、新しいものをひとつ買ったら、ひとつ手ばなす癖をつけましょう。
家の中の整理を始めて、すっきり安全な暮らしを目指す時期です。
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<撮影/ジャン・クロード・シャロー、齋藤順子、山川修一 取材・文/髙場実乃>
弓・シャロー(ゆみ・しゃろー)
1938年、東京生まれ。パリで「プチバトー」などのデザイナーとして活躍するほか、ファッション関連の仕事に携わる。現在はパリ郊外の自宅で夫とふたり暮らし。著書に『100歳までパリジェンヌ!』(扶桑社)ほかがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです