(『天然生活』2021年10月号掲載)
読書は心にとっての“精神安定剤”
滋賀の湖西地方に暮らす麻生圭子さんの読書場所は、戸外のデッキや近くの湖畔。読書する場所の雰囲気を大切にしています。
聴力障害が進み、音楽を楽しめなくなった麻生さんにとって、文字や写真からの情報は気分転換に聴いていた音楽の役割も兼ねています。
「たぶん読書に対する姿勢が、ほかの人と違っているかも。私にとっての読書は、知識を得るためや、学ぶためだけではなくて、心にとっての読むクスリ、見るクスリ、精神安定剤です」
コーヒーとともに、心を解放して
読書はもっぱら朝。活力のみなぎる朝に、コーヒーを淹れるのが読書前の儀式。
「焙煎したての豆を蒸らしていると、生きているようにぐーっと盛り上がってくる。それを見ている時間が好きです」
2020年まで、お母さまの遠距離介護から自宅近くへの転居、長年暮らした2匹の猫との別れと仔猫との出会いなどさまざまな出来事があり、読書どころではなかったそう。
「心にゆとりがないと、読書はできない。今年になってようやく、コーヒーとともに、心を解放してくれる本を読んだり眺めたり、幸せが充塡できるようになりました」
麻生圭子さんの「読書のおとも」
ファンテイルのかたぬきクッキー
読書のお供は、指でつまめる小さなお菓子。かたぬきクッキーは、犬型入りもあるけれど、猫型入りのものを選んで。程よい甘さとサクッとした軽さが、麻生さんの好みです。
〈撮影/伊藤 信 取材・文/西川公子〉
麻生圭子(あそう・けいこ)
作詞家として数々のヒット曲を手がけた後、エッセイストに。京都町家暮らし、ロンドン生活を経て、現在は琵琶湖畔の家に、夫、猫の麒麟と暮らす。
インスタグラム:@asokeiko
X(旧Twitter):@keiko_aso
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです