• 時間がないぶん、知恵と工夫を駆使しながら家の中をきれいに。無理なく続けられる掃除術を4人の方に教えてもらいました。今回は、料理家・ワタナベマキさんに聞く、日々の掃除との向き合い方です。
    (『天然生活』2023年3月号掲載)

    “汚れたらすぐふく”で、汚れを放置しない

    仕事場も兼ねている自宅には、料理の撮影や打ち合わせなど、とにかく人の出入りが絶えません。料理する回数も多いので、自然とほこりや汚れがたまりやすくなります。

    それでもワタナベマキさんの家がいつもすっきりきれいなのは、その都度すぐに汚れを落とす、リセット掃除をしているから。

    「毎日ふけば汚れもたまらないので、結果的に楽なんです。放置して積み重なった汚れを取るほうがずっと大変ですから」

    画像: コンロを使ったあとは、調理台や壁をその都度ふきんでさっと水ふきをする

    コンロを使ったあとは、調理台や壁をその都度ふきんでさっと水ふきをする

    日々の掃除の中心となるのが、「ふく」ことです。台所やリビング、廊下や玄関など、人の行き来が多い場所を毎日ふいています。それにしても、床までふくのはかなり時間がかかりそうですが……。

    「いえいえ、毎日10分もかかりません。ふくのは台所とリビング、玄関などに限定しているし、ざっと、丸くふいているだけです」

    画像: 台所の作業台をふくのは、上に置いてあるものを全部しまってから。作業も楽だし、きれいも保てる。アルコールやアルカリ性電解水を吹きつけて

    台所の作業台をふくのは、上に置いてあるものを全部しまってから。作業も楽だし、きれいも保てる。アルコールやアルカリ性電解水を吹きつけて

    ふき掃除は「気持ち」も整える大切な習慣

    使い捨てのウエスでふくので、洗う手間も省けます。また、抗菌作用があって香りもよいヒバオイルをウエスに垂らして使うのが習慣。

    楽になる方法を選んだり、気分を上げる香りを取り入れたりしながら、上手にルーティンにしているようです。

    モップやロボット掃除機など、違う方法を試したこともありました。でも、やっぱりいまのやり方に戻ってきてしまうのだとか。

    「ロボット掃除機だと隅っこのほこりを取り逃がしやすいし、モップだと床が近くに見えず、細かい汚れが取れない。結局、私は自分でふくのが一番。運動にもなるし、なんだか気分もよくなるんです」

    画像: 1枚のウエスを水で濡らし、ヒバオイルを数滴垂らす

    1枚のウエスを水で濡らし、ヒバオイルを数滴垂らす

    以前は朝にふき掃除をしていましたが、最近は仕事が終わって来客が帰ったあとのルーティンに。こうすれば、翌朝は簡単に掃除機をかけるだけですみます。

    とはいえ、仕事が終えたあとにまた体を動かすのは疲れないのでしょうか。

    「仕事が終わっても座ってはだめ。一度座るともう動きたくなくなりますから。勢いにのって一気にやってしまう、これがコツですね」

    もはや体に染み込んだ習慣になっていて、しないと落ち着かない、と話すワタナベさん。ふき掃除は自分の気持ちもすっきり整える習慣になっているようです。

    画像: 洗面所の掃除は、使い捨てのアルコールティッシュで

    洗面所の掃除は、使い捨てのアルコールティッシュで

    ワタナベさんの「掃除の習慣」

    おおざっぱでもいいから、こまめにきれいにすると汚れがたまりません。

    〈毎日やること〉
    ・台所、リビング、廊下、玄関のルーティンふき掃除
    ・トイレ掃除

    〈毎週やること〉
    ・1週間に1回、換気扇の中を掃除

    〈タイミングを見て、やること〉
    ・汚れが気になったら窓掃除
    ・時間があるときのベランダの落ち葉とり

    〈冷蔵庫でやること〉
    ・食材は仕事用、自宅用で段ごと分別。食材が減ったら段ごとふき掃除

    画像: 調味料のびんなどはトレイに入れて収納。出し入れしやすいし、冷蔵庫内も汚れにくい。トレイの側面や底をふくのも忘れずに

    調味料のびんなどはトレイに入れて収納。出し入れしやすいし、冷蔵庫内も汚れにくい。トレイの側面や底をふくのも忘れずに



    〈撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子〉

    ワタナベマキ(わたなべ・まき)
    料理家。旬の素材とシンプルな手順でつくる、日常のレシピで人気を集める。最近、畑を借りて自ら野菜を育てることに挑戦中。その経験を通して、ますます、食材を「食べきる」ことの大切さを実感するようになった。著書に『ワタナベマキの10の定番弁当』(扶桑社)など。https://maki-watanabe.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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