(『天然生活』2023年10月号掲載)
新米を楽しむために
秋の楽しみといったら、いつものお米よりも艶やかさや甘味が増した新米。
塩むすびにするだけでもおいしいのですが、ごはんに合うおかずがあればなおのことよし。
料理家・随筆家の麻生要一郎さんに、新米を楽しむためのレシピをご紹介いただきます。
麻生さんのご実家は茨城県水戸市。納豆の産地でもあります。
「納豆やお漬物なんかも、ごはんには欠かせませんよね」
6色納豆はその豪華版。ねばねば仲間の山いもやめかぶも入ります。
「山いもはすりおろしてもいいですが、僕は、食感を楽しめるように細かくきざんでいます」
よく混ぜてからいただきましょう。
秋が深まるこれからの季節、新米に合うおかずが並ぶ食卓からは、おかわりの声が聞こえます。
「6色納豆」のつくり方
実家の水戸に帰省すると立ち寄る居酒屋で食べてから、気に入ってつくるメニュー。食材は好みで代用するのもよし。
材料(つくりやすい分量)
● 納豆 | 1パック |
● 山いも | 約12cm |
● キムチ | 50g |
● まぐろ | 適量 |
● めかぶ | 50g |
● 卵黄 | 1個分 |
つくり方
1 納豆をよくかき混ぜ、山いもは細かくきざみ(すり下ろしてもよい)、キムチも細かくきざむ。まぐろはぶつ切りにして、めかぶは洗っておく。
2 器に1を彩りよく盛りつけて、中央に卵黄をのせたら完成。よく混ぜていただく。味が足りなければ好みでしょうゆやごま油(ともに分量外、適量)を足して。
「さつまいも入りの豚汁」のつくり方
わが家の豚汁は、さつまいもが入っていました。茨城でさつまいもがよく採れるということもあったのでしょう。甘味がじんわり広がり、独特の味わいが楽しめます。
材料(つくりやすい分量)
● 豚肉 | 300g |
● 大根 | 1/3本 |
● にんじん(小さめ) | 1本 |
● ごぼう | 1本 |
● さつまいも | 1本 |
● ひらたけ | 1株 |
● 木綿豆腐 | 1/2丁 |
● こんにゃく(小さめ) | 1枚 |
● だし汁(昆布とかつおの削り節) | 1L |
● 味噌 | 大さじ3 |
● 油 | 適量 |
つくり方
1 豚肉は2cm幅に切り、大根とにんじんは短冊切り、ごぼうはささがき、さつまいもは厚めの輪切りにしてから半分に切り、ひらたけは石突きをはずしてほぐす。豆腐はひと口大に切り、こんにゃくは食べやすい大きさにちぎって塩(分量外、適量)でもみ、熱湯で2~3分ゆでておく。
2 鍋に油をひいて、野菜類(大根、にんじん、ごぼう、さつまいも、ひらたけ)から炒めはじめ、豚肉を加えてひと混ぜしてからこんにゃくも加え、全体をよくなじませる。だし汁を注ぎ(全体がひたひたになるように。足りなければ水を加える)、野菜がやわらかくなるまで煮込む。
3 2に豆腐を加えて、味噌で味をととのえたら完成。好みで、小口切りにした長ねぎ(分量外)をのせても。
<料理・スタイリング/麻生要一郎 撮影/大沼ショージ>
麻生要一郎(あそう・よういちろう)
料理家・随筆家。知人にケータリングしていたお弁当が評判を呼び、雑誌へのレシピ提供や、食や暮らしまわりの執筆をするように。近著に『僕のいたわり飯』(光文社)。インスタグラム @yoichiro_aso
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです