• やる気が出ない、疲れやすい。そんな不調を感じている人は、「タンパク質」が不足しているのかも? 料理家の田内しょうこさんが体力向上のために取り組んだ「朝ごはん×タンパク質」改革を紹介します。今回は40代・50代の女性がタンパク質朝ごはんを食べづらい理由と「魚」の朝ごはんのお話です。

    タンパク質ブーム。だけど「やっぱり朝にタンパク質を摂るのはたいへん」

    このところ、朝もすこし肌寒くなってきました。

    夏の間には、とりあえずタンパク質を摂ろうと冷蔵庫から出した温泉卵やちくわ、納豆、豆腐などをちょこっと食べて……で朝ごはんをスタートすることも多かったのですが、それも寒くて食べづらいな、という日が増えてきました。

    なにか温かいものを調理しなくては、となると、タンパク質のものを朝から食べるのもなかなかたいへんです。

    「朝ごはんにタンパク質を摂ろう」という話は最近メディアでもかなり大きく取り上げられるようになり、食べたほうがいいんだろうなあ、となんとなく気になっている方も多いのではないかと思います。

    先日も少し先輩の女性たちとお話ししていたときにタンパク質の話題になったのですが、「やはり朝のごはんにタンパク質を増やすのはたいへん!」という話で盛り上がりました。

    画像1: タンパク質ブーム。だけど「やっぱり朝にタンパク質を摂るのはたいへん」

    「結局はおむすびとか、ちょっとした甘いパンを食べていることが多いかなあ」

    こういう朝ごはんの方が50代以上でもかなり多いです。

    そうなっているのには、主に理由はふたつ。

    ①朝は慌ただしくて、タンパク質のおかずを用意するのがたいへん。

    ②そもそも朝からタンパク質食材を食べるのがたいへん。

    若い人だと、朝ごはんを食べない理由はが多い印象ですが、40代以上になるとの理由が隠れているケースが増えてきます。

    今回はこのの問題について考えてみたいと思います。

    画像2: タンパク質ブーム。だけど「やっぱり朝にタンパク質を摂るのはたいへん」

    40代になってだんだんと食べにくくなってくることを「食べたくないってことは、年齢的にもう体に必要がないんだ」「食べる量が減っても体重は減らないし、これで足りているんだ」と勘違いして、ますます粗食になり、菜食に傾いていく人が増えます。3年前のわたしは、まさにこれでした。

    飽食の時代に育ち、大人になってからの90年代あたりに粗食ブームを体験した世代の特徴なのかもしれません。

    「歴史的にも日本人はそもそも粗食だったのだから、粗食の方が体にはよい」「野菜をたっぷりとる食生活が体にはやさしい」と刷り込まれている人も多いように感じます。

    食物繊維が摂れる、さまざまなビタミンや酵素が摂れるという視点では、野菜や穀類たっぷりのごはんは理想的です。

    ですが、1日を元気に過ごしたい、できることならば老化にも少し抗いたい……と考えたときには、やはり野菜と穀類だけでは不足と言えるでしょう。

    とはいえ、朝ごはんに急にタンパク質を増やそうと思っても、なんとなく胃に重かったり、気持ち悪かったりで食べられなくて、という悩みもよく聞きます。

    そうなんです。タンパク質は摂りつづけていないと食べづらくなっていきます。

    その上、タンパク質不足が続くうちに、体もタンパク質を適切に栄養素として吸収できなくなってしまうそうなのです! これが実はいちばん怖いお話し。少しずつ少しずつ、土台が弱っていってしまうんですね。

    画像3: タンパク質ブーム。だけど「やっぱり朝にタンパク質を摂るのはたいへん」

    それを防ぐためにも、朝にはぜひ少しずつタンパク質を。……なのですが、卵や肉を食べると思うとちょっと重い。そう感じる方におすすめなのが魚でタンパク質を摂ること。

    焼き魚を食べるとなると、食べる際の手間を考えるとややおっくうになりますが、サバ缶など加工した魚ならば食べやすいのではないでしょうか。

    今回は、よくあるしらすやツナなどを加えた“お手軽朝ごはん”からも一歩進めた、タンパク質の朝ごはんのためにわたしが工夫してつくった「魚の朝ごはん」をご紹介します。

    「魚」のタンパク質朝ごはん

    魚でタンパク質朝ごはん①
    サバ缶の卵とじ丼

    画像: 魚でタンパク質朝ごはん① サバ缶の卵とじ丼

    最近お仕事でご一緒したドクターたちから立て続けにすすめられた「サバ缶」。良質の脂質を含み、タンパク質もたっぷり。朝ごはんにも取り入れるようにしています。

    香味野菜をたっぷり加え、卵を回し入れて。卵とじ丼は水分も多く、朝に食べやすい一品です。

    魚でタンパク質朝ごはん②
    焼きサバのサンドイッチ

    画像: 魚でタンパク質朝ごはん② 焼きサバのサンドイッチ

    塩サバはお箸でほぐしてごはんや味噌汁と一緒に食べようと思うと食が進まないのに、パンに挟んでかじると一気に食べやすくなるのが不思議です。

    玉ねぎ薄切り、レタスなど歯触りのよい野菜を加え、スイートチリソースをかけるのがお気に入り。

    魚でタンパク質朝ごはん③
    まぐろの角煮

    画像: 魚でタンパク質朝ごはん③ まぐろの角煮

    まぐろのアラを見つけたときに、にんにく、ねぎをたっぷり入れて、コチュジャンとしょうゆで角煮に。

    まぐろは良質のタンパク質を豊富に含む上に鉄分も多く素晴らしい食材なのですが、サクはいささか高価で……。いいアラを見つけたときには迷わず購入しています。

    魚でタンパク質朝ごはん④
    いわしのコンフィ

    画像1: 魚でタンパク質朝ごはん④ いわしのコンフィ

    正直にいうと、以前なら面倒でつくらなかったような一品ですが、朝ごはんのタンパク質のために頑張ってつくってみました。

    つくってみると実はかんたん。想像以上においしく、「わたし、頑張ってつくった!」といい気分で朝から食も進みます。黒いパンを添えて。

    ※ ※ ※

    今回ご紹介した魚の朝ごはんは、必ずしもかんたんにつくれるものばかりではないですが、体に負担を感じずに楽しくおいしく食べられるように、と工夫してつくったものばかりです。

    わたしの好みではありますが、ザ・和食よりも洋食やアジアごはん風になっている方が魚も食べやすいかな〜と思っています。

    時間に余裕があるとき、卵にはもう飽きたなあ、というとき、ぜひ魚の朝ごはんにも挑戦してみてくださいね。



    画像2: 魚でタンパク質朝ごはん④ いわしのコンフィ

    田内しょうこ(たうち・しょうこ)
    「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
    インスタグラム:@tauchi.shoko
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