(『天然生活』2020年11月号掲載)
ミスミさんの手づくりアイデア 1
着古したパンツをパソコンケースに
ノートパソコンケースを探していた夫のマツーラユタカさんのために、はかなくなったパンツをリメイク。
単に布として切り取るのではなく、「パンツだったころの表情が生きるように」、縫い目や裾のリボンなどをあえて残したデザインにしました。
「気に入って使いつづけてくれているので、傷んできた部分をさらにパッチワークで補強したり。変化していく様子も楽しんでいます」
ミスミさんの手づくりアイデア 2
自由時間のための「創作箱」
美術大学に学び、アート作品制作も行ってきたミスミさん。
「ときどき目的なしの『作品』がつくりたくなるから」、気に入った紙などの素材を集めて、ひと箱にまとめている。
「大好きな靴下型のモチーフをつくっておいて、そこに思いのままにコラージュしています。形に制限を設けておくことで終わりが見えやすいし、集中できる。新たなアイデアにもつながる、大切な自由時間です」
ミスミさんの手づくりアイデア 3
“ちょっと塗装”で木箱を愛らしく
「ペイントというと大掛かりに感じますが、全部を塗らず一部だけなら手軽に、ぐっとかわいくできます」
manomaでは、ワインの木箱の枠にのみ色を塗ったものを本箱として使用中。
底面には、サイズに合わせて厚紙に貼り付けた包装紙を入れて。本の奥にチラッと見える様子もまた素敵です。
「まずは小サイズで、気に入った色を少しずつ集めておくと、思い立ったときにすぐ取り組めます」
ミスミさんの手づくりアイデア 4
新しい物語を重ねるお繕い
ミスミさんといえば、欠かすことができないお繕い。
「お気に入りのものに新しい物語が重なって、前よりもっと好きになる。私にとって大切な手仕事です」
冬の寒さが厳しい山形に越してからは、ウールの靴下の穴あきが増えたのだとか。
「東京のように新しいものをすぐに買えなくても、直せばまた使える、直すのも楽しい。そう思えるのがいかに心強いか、ここでの暮らしで改めて知りました」
〈撮影/五十嵐 丈 取材・文/玉木美企子〉
ミスミノリコ(みすみ・のりこ)
暮らしの装飾家/ディスプレイデザイナー。山形・鶴岡にてカフェ&セレクトショップ「manoma」をオープン。著書に『お気に入りの衣服を纏う』(KADOKAWA)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです