天然生活 最新号

2019年にカフェ&セレクトショップ「manoma」をオープンした、暮らしの装飾家・ミスミノリコさん。ディスプレイデザインの仕事で得た発想と手づくりをちりばめて、居心地のよい空間を生み出すミスミさんの、暮らしの手づくりアイデアを見せてもらいました。
(『天然生活』2020年11月号掲載)

ミスミさんの手づくりアイデア 1
着古したパンツをパソコンケースに

ノートパソコンケースを探していた夫のマツーラユタカさんのために、はかなくなったパンツをリメイク。

単に布として切り取るのではなく、「パンツだったころの表情が生きるように」、縫い目や裾のリボンなどをあえて残したデザインにしました。

「気に入って使いつづけてくれているので、傷んできた部分をさらにパッチワークで補強したり。変化していく様子も楽しんでいます」

画像: かぶせ部分には封筒に使われる「玉ひも」を活用し、手間なくおしゃれに

かぶせ部分には封筒に使われる「玉ひも」を活用し、手間なくおしゃれに

ミスミさんの手づくりアイデア 2
自由時間のための「創作箱」

美術大学に学び、アート作品制作も行ってきたミスミさん。

「ときどき目的なしの『作品』がつくりたくなるから」、気に入った紙などの素材を集めて、ひと箱にまとめている。

「大好きな靴下型のモチーフをつくっておいて、そこに思いのままにコラージュしています。形に制限を設けておくことで終わりが見えやすいし、集中できる。新たなアイデアにもつながる、大切な自由時間です」

画像: 作品の裏には日付を明記し、時期ごとの作風を振り返ることも

作品の裏には日付を明記し、時期ごとの作風を振り返ることも

ミスミさんの手づくりアイデア 3
“ちょっと塗装”で木箱を愛らしく

「ペイントというと大掛かりに感じますが、全部を塗らず一部だけなら手軽に、ぐっとかわいくできます」

manomaでは、ワインの木箱の枠にのみ色を塗ったものを本箱として使用中。

底面には、サイズに合わせて厚紙に貼り付けた包装紙を入れて。本の奥にチラッと見える様子もまた素敵です。

「まずは小サイズで、気に入った色を少しずつ集めておくと、思い立ったときにすぐ取り組めます」

画像: 小さな絵筆でくるりと塗ったら完成。塗る場所が少ないから、すぐ乾く

小さな絵筆でくるりと塗ったら完成。塗る場所が少ないから、すぐ乾く

画像: 変えたくなったらすぐに塗り替えられるのも「ちょっと塗装」のいいところ

変えたくなったらすぐに塗り替えられるのも「ちょっと塗装」のいいところ

ミスミさんの手づくりアイデア 4
新しい物語を重ねるお繕い

ミスミさんといえば、欠かすことができないお繕い。

「お気に入りのものに新しい物語が重なって、前よりもっと好きになる。私にとって大切な手仕事です」

冬の寒さが厳しい山形に越してからは、ウールの靴下の穴あきが増えたのだとか。

「東京のように新しいものをすぐに買えなくても、直せばまた使える、直すのも楽しい。そう思えるのがいかに心強いか、ここでの暮らしで改めて知りました」

画像: かかとにあいた穴には、色違いの糸を使い三角形のダーニングを重ねた

かかとにあいた穴には、色違いの糸を使い三角形のダーニングを重ねた



〈撮影/五十嵐 丈 取材・文/玉木美企子〉

ミスミノリコ(みすみ・のりこ)
暮らしの装飾家/ディスプレイデザイナー。山形・鶴岡にてカフェ&セレクトショップ「manoma」をオープン。著書に『お気に入りの衣服を纏う』(KADOKAWA)。

※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



This article is a sponsored article by
''.

No Notification