(別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』より)
ストレスと上手に付き合うために
先の見えない不安がいっぱいの日々、小さな我慢を積み重ねていたり、ストレスから目をそらしたりすると、心身の健康を損なう場合もあると、カウンセラー歴30年の伊藤絵美さんは案じます。
「人が生きている限りストレスはなくなりませんから、‟つきあい方”を身につけるのが大切なんです。
ストレスの影響を受けていることを自覚して、対処ができるようになれば、これから先も自分で自分を助けられるようになります」
伊藤さんは、クライアントに継続的なカウンセリングを行う際、毎回ワークを用意して自分を助ける方法を身につけてもらうそうです。
今回はそのワークを簡素化し、3ステップにまとめたものを紹介します。
「大人の女性は、家庭や職場でだれかのケアをすることはあっても、自分のことは後回しにしがち。
まずは、毎朝1分、自分の体の調子と心の調子に目を向け、点数をつけてください。それだけでも何かしらの気づきにつながります」
Step1 目を向ける
体と心の調子をチェックしましょう
なんとなく感じている自分の調子を、数値化してみましょう。
毎朝1分の記録をするだけで、心を整える第一歩になります。
自分の基準で点数をつける
心の調子と体調が連動することもあれば、体調はいいのに心の調子は悪いことも。点数化することで客観視できます。不調が続く場合は、医療機関や自治体の窓口に相談を。
1年続けると理解が深まる
毎日続けるために洗面所に記録用紙を貼る、スマートフォンにメモをするなど工夫して。記録を残すと季節や年間スケジュールによる影響や、自分のパターンが把握できます。
ポイント
● 毎朝、チェックを習慣にする
● 体と心のバランスにも注目してみる
● 書いて記録し、自分の調子の波を知る
〈監修/伊藤絵美 イラスト/にしごりるみ 構成・文/石川理恵〉
本記事は別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』からの抜粋です
心と体の変化を受け入れながら「いま」を楽しむヒント
いつまでも若々しくいられる秘訣は「いま」を楽しむこと。この本では、歳を重ねるにつれ変化していく心と体を受け入れながら、おおらかに楽しんでいる方々をご紹介。
手塚理美さん、德田民子さん、フジコヘミングさん、広瀬裕子さんなど17人の、暮らしの楽しみ方や工夫、働き方。悩みはつきない、若返る食べ方やレシピ、栄養のこと、お金のこと、大切な思い出や心の整理術などについてもたっぷり掲載しています。
伊藤絵美(いとう・えみ)
カウンセラー、公認心理師、臨床心理士。認知行動療法の専門家として多数の著書を持つほか、近著『セルフケアの道具箱』(晶文社)では、自分をケアするための100個のワークを紹介。同療法を広く活用するためのオンラインワークショップも開催している。
洗足ストレスコーピング・サポートオフィス
https://www.stress-coping.com/