(『天然生活』2023年1月号掲載)
“福”を包む布「ポジャギ」で幸せの循環を
韓国では日常から婚礼などのお祝い事までさまざまな場面でポジャギが使われてきましたが、近年は贈りものの包装としても広まりつつあるといいます。
「ポジャギラッピングで贈りものをすると、みなさん本当に喜んでくれます。ちょっと特別な感じがしますし、布に触れるだけで気持ちがやさしくなれるんですよね」
包みをほどけば1枚の布に戻り、受け取った人が生活のなかで繰り返し生かせるところも合理的です。
そして、その布を使ってだれかに贈りものをしてもいいと、イさん。
「もともとポジャギでものを包むことは『福を包む』意味があるんです。自分がもらった福をまた次の人に包んで差しあげる、そんなふうに捉えると幸せが循環していきます。ハンカチや家にある布を使っても大丈夫。基本の結び方を覚えれば、包むものの形やサイズが変わっても応用できますよ」
丸型のクッキー缶などに
「情結び」の包み方
結び目の中心の「井」の字の形には人と人が互いに助け合う意味合いも。
結び目が際立つ色の布を選ぶとより素敵になります。
材料
● 約70cm四方のリバーシブルの布(普通の布でもよい) | 1枚 |
● 包むもの(直径20×高さ5cm程度の円柱形の箱) | 1個 |
道具
● 棒(または箸でも) |
包み方
1 上にくる結び目に出したい色を上にして布をひし形に広げ、包みたいものを中央に置く。
2 左右(AとC)の布端を上で合わせて片手で持ち、もう片方の手で布をつかみながら上から下にすべらせてキュッと絞り、1回結ぶ。
3 2の結び目の上に、残りの2本(BとD)で1回結ぶ。
4 2で結んだ布Aを持ち、出したい色の面が表になるように整え、両端を後ろにたたんで幅5cmほどにする。そのまま結び目の上に重ねる。
5 上を手で押さえながら、左隣りの布Bを4と同様に整え布Aの上に重ねる。残りの2本も同じように整え順に重ねる。
6 4本目の布Dは1本目の下に差し込む。1本ずつ引っ張りながら、結び目を整える。
7 結び目の下を両手で少し持ち上げボリュームを出し、形を整えたら、6の写真を参考に、布端を左隣りの結び目の下に差し込む。
8 4本目の布端は最初の結び目の下に差し込む。棒などの道具を使って布のゆるみなどを整える。
〈協力/堀川 波 監修/イ・イェギュ 撮影/中垣美沙 取材・文/熊坂麻美〉
イ・イェギュ(い・いぇぎゅ)
韓国出身。ポジャギを使ったラッピング、バッグやオブジェをつくるポジャギアートの教室を主宰。インスタグラム@bojagi_danbi_jiyugaoka
堀川 波(ほりかわ・なみ)
おしゃれや生活にまつわるイラストエッセイを多数出版し、手工芸作家としても活躍。著書に『刺し子糸で楽しむ刺繍』(誠文堂新光社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです