• やる気が出ない、疲れやすい。そんな不調を感じている人は、「タンパク質」が不足しているのかも? 料理家の田内しょうこさんが体力向上のために取り組んだ「朝ごはん×タンパク質」改革を紹介します。今回は朝ごはんと向き合うことでできる「セルフケア」と、気分が上がる「巻きもの」の朝ごはんのお話です。

    気分がしずんだときのいち推しは、一口サイズの「巻きもの」

    すっかり年末の気配ですね。でもようやく寒くなったかと思うと、とつぜん暖かい日もあったりして。ころころ変わる天候に、身の回りを見ていても、風邪を引く人が続出!

    とんでもない高熱の出るお腹の風邪や、今さらのようなコロナウィルス、お子さんのいるおうちだとマイコプラズマ肺炎など種類も様々な様子です。

    友人と話しても「3週間もだるかった」「1カ月、ひどい咳と声枯れが治らず閉口した」など、夏疲れの出る季節からズルズルと体調を崩していた人が多いことに驚きつつ、自分だけではないんだわとホッとしたり。

    そんな風邪に負けないようにするには免疫を上げなくては。そのためにも、朝ごはんはしっかり食べなくては!

    とお伝えしたいところですが、どんどん寒く暗くなってくると気持ちがしょぼんとしぼんでしまい、なんだかごはんを食べる気分にならない朝が増えてきました。こんな弱々になってるの、わたしだけでしょうか。

    こんな風に気分が落ち込んでしまったときに、気持ちを切り替えられる楽しい朝ごはんについて今回はご紹介したいと思います。

    画像: 気分がしずんだときのいち推しは、一口サイズの「巻きもの」

    わたしのいち推しは「巻きもの」

    え、巻きもの? なんでそんな面倒なものを? と思われたかもしれません。

    でもそんな面倒なものを朝にわざわざ食べるのには意味があるんです。ちょっと聞いてください。

    朝ごはんと向き合うことは、「自分の面倒」をしっかり見るということ

    あんまり食べたくない朝。スプーンでスープを口に運ぶのも、おむすびをかじるのも気が進まないというときが、わたしには、ちょいちょいあります。何かを食べるのがめんどくさいというか、単にイヤだなあというか。

    子どもか! と自分でも笑ってしまいますが。でも、ときどき子どもになっている自分の面倒を見るのも悪くないですよね。

    そこでつくるのが、わが子の幼い時を思い出して、のり巻きなどのひと口サイズの巻きものなんです。朝に味噌汁とごはんにおかずなんて並べても、なかなか食が進まなかった子どもが、これなら食べてくれたものでした。

    画像: 朝ごはんと向き合うことは、「自分の面倒」をしっかり見るということ

    いざ自分でも試してみると、ひと口で入るサイズになっているだけで、ひと口、またひと口と手がのびるようになるのだから、ほんとに不思議です。

    「でも、巻くのが大変じゃない?」

    とよく言われるのですが、そういうときには、頭のなかで「巻くのがおっくうな自分」と、「食べるのがイヤだなと思っている自分に、ちゃんと食べさせてあげたいと思っているもうひとりの自分」を天秤にかけます。そして、その後者に軍配があがるわけです。

    たんぱく質の朝ごはん生活を始めて、いちばんのよかった点は、朝ごはんにしっかり向き合うことによって「忙しさにかまけて長年ほったらかしにしていた自分の面倒を、しっかり見てあげられる」ところ。

    今日はどんなものなら食べられるかな、どうやって栄養とろうかな。そうやって自分のごはんのことを考え、自分のために時間と手間を使い、自分をケアしてあげる。そう、タンパク質の朝ごはんって、とどのつまりは、自分と向き合う時間なんだと思っています。

    のり巻きを巻いて、ひと口サイズに切って食べやすく盛って、という手間は、自分の世話を最大限に見てあげているという充実感を存分に味わえます。

    巻きすがなくても「のり巻き」は実は簡単

    ところで、のり巻きも実はそんなに大変でもありません。

    巻きすがあれば簡単ですし、巻きすがない場合はクッキングシートや、ラップでも大丈夫。のりの上にごはんを薄く広げ(のりの面積は手前の2/3を使うイメージで)、その真ん中に具材をのせ、向こう側ののりの端を目指して「えいっ」と一気に巻きこみます。

    画像: 巻きすがなくても「のり巻き」は実は簡単

    コツといえば、ごはんを少なめにすること。のりが透けて見えるくらいの量のごはんを広げていきます。上の写真でも少し多いくらい。

    具材が下の三色ごはんくらいならこのごはんの量でも大丈夫ですが、太巻きやキンパのように具材が多いときには、もっともっとごはんを少なくして巻いてみてくださいね。

    のり巻き、生春巻き。ひと口サイズの「巻きもの」のタンパク質朝ごはん

    タンパク質で巻きもの朝ごはん①
    三色ごはんののり巻き

    画像: タンパク質で巻きもの朝ごはん① 三色ごはんののり巻き

    鶏そぼろ、甘い炒り卵、彩りのピーマン塩炒め。子どものお弁当の三色ごはんの残りをのり巻きに。混ぜごはんにするよりも、ひと口ずつが食べやすいのです。

    厚さを1cmくらいに薄く切るのがポイントです。

    タンパク質で巻きもの朝ごはん②
    常備菜とウインナーののり巻き

    画像: タンパク質で巻きもの朝ごはん② 常備菜とウインナーののり巻き

    のり巻きの具材はなんでもOK。この日はつくりおきのにんじん+小松菜のごまあえに、焼いたウインナーを一緒に巻き込みました。

    巻きすを出したついでに卵焼きも筒形に巻けば見た目も可愛く、ひと口サイズに。

    タンパク質で巻きもの朝ごはん③
    照り焼きチキンの生春巻き

    画像: タンパク質で巻きもの朝ごはん③ 照り焼きチキンの生春巻き

    ごはんも食べたくないときには、生春巻きの皮にレタスと照り焼きチキンを巻いて。チキンのタンパク質を体内で効率よく働かせるためには炭水化物が必須。

    生春巻きなら、レタスで巻くより食べやすく炭水化物も摂れます。

    タンパク質で巻きもの朝ごはん④
    カラフル野菜の生春巻き

    画像1: タンパク質で巻きもの朝ごはん④ カラフル野菜の生春巻き

    撮影で余っていたヤングコーン、オクラ、パプリカ、紫いもというカラフルな野菜をサラダチキンと一緒に。色合いがきれいなものを見ると、朝にも気分が上がります。たまにはきれいな色の野菜を買うのもよいですね!

    ※ ※ ※

    ひと口大に切った巻きもののよさは、慌ただしい朝に動きながらでも、通りすがりにひとつ、またひとつと食べることができるところ。普通の朝ごはんに比べても、身支度などしながらダラダラと食べることへの罪悪感が少ないような気がします。

    慌ただしい朝にわざわざ巻いて切るなんて……と思うかもしれませんが、いちどぜひ騙されたと思って試してみてください!

    食べやすくて嬉しい、きちんと自分の面倒を見られたことで気分がよい。その日はきっとよい1日になりますよ。



    画像2: タンパク質で巻きもの朝ごはん④ カラフル野菜の生春巻き

    田内しょうこ(たうち・しょうこ)
    「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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