これまで歩んできた時間や経験が、人生をさらに豊かに。新しい愉しみを見つけた染織家のウリウリばあちゃんに会いに行きました。今回は、八ヶ岳での田舎暮らす、日々の愉しみについて伺います。
(『天然生活』2021年12月号掲載)
いくつになっても「やりたいこと」がある幸せ
「私は昔から好奇心旺盛で、やりたいと思ったらやらないと気がすまない性分。60歳をすぎて、もっと自由に好きなこと、したいことだけして生きていきたいと考えるようになったんです」
そこで思いついたのが、ユーチューブで自分のいとしい田舎暮らしの日々を発信するというアイデアでした。
「アイフォンがあれば、私のような素人でも、簡単に動画を撮影して編集することができます。すぐに“よし、ユーチューブを始めよう”と行動を開始しました」
まっすぐに自分の好きに向かうウリウリばあちゃんですが、「私は人と何かするのは苦手で、なんでも自分ひとりでやりたいタイプ。そういう意味でも、自分だけで完結できるいまのスタイルは合っているんです」と笑います。
いくつになっても好奇心が尽きないウリウリばあちゃん。コロナ禍でも古武道教室に通ったり、オンラインで英会話や南京玉すだれ、講談を習ったりするなど、スケジュールはびっしりです。
50歳をすぎて、心がどんどん自由に
60代前半でウリウリばあちゃんと名乗ったときは、「“ばあちゃん”というには早いのでは?」というコメントをもらったこともありました。
「正直いって、私自身も60代で“ばあちゃん”だとは、まだ思っていません(笑)。でも、“ウリウリばあちゃん”という響きがかわいいし、この先、結局はばあちゃんになっていきますからね。だったらウリウリばあちゃんで、いいんじゃないかなって。それに私は、小さいころ、意地悪ばあさんになることが夢だったんです。ある意味、夢がかなっているのかもしれませんね(笑)」
歳を重ねるほどにパワフルに、人生を謳歌するウリウリばあちゃん。その姿には、こちらももっと自由に好きなことに挑戦して生きていこうと、背中を押されるような気持ちになります。
「私は50代になってからが、人生がすごくラクになりました。それまでは周囲に合わせたりして、どこか息苦しさを抱えていたんです。50歳をすぎて、どんどん自分の心に正直に生きられるようになって、60代でユーチューブという理想の手段も手に入れられました。いま、私は67歳ですが、70代になったら、もっとはじけて大きくジャンプしたいですね」
自分にやりたいことがある人は、たくましく人生を愉しめる。ウリウリばあちゃんの笑顔からは、そんな歳を重ねる喜びが伝わってきました。
<撮影/砂原 文 取材・文/工藤千秋>
ウリウリばあちゃん
染織の仕事をしながら63歳でユーチューバーに。八ヶ岳での田舎暮らしを自分なりに愉しむ様子を精力的に発信中。https://www.youtube.com/c/yatsugatakestyle/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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第1章 これからの「おいしい生活」のつくり方
料理家・大庭英子さんには、いまの自分にちょうどいい、レシピ6品と台所仕事の工夫を、スタイリストのchizuさんには、気負わず楽しむ、テーブルコーディネートのコツを教えていただきました。
第2章 おしゃれは心のビタミン!
中野翠さんのエッセイと、ぬ衣さん、山下りかさんの春夏秋冬のコーディネートを紹介します。
第3章 豊かな人生のための幸せの支度
山本ふみこさん、ユキ・パリスさん、中島デコさん、松場登美さん、横尾光子さん、坂井より子さんの暮らしの流儀を紹介します。
第4章 心身とお金を整えるために
家で簡単にできる体操や、節約のこと。
第5章 人生の豊かな「しまい方」
石黒智子さんがはじめた終活と、井上由季子さんが経験した家族の介護について、お話を伺いました。