(別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.40掲載)
やりたいことがいっぱいだから、時間を決める
数年前まで商社でバリバリ働いていたマヤムーンさん。子育てと両立していたので、ずっと時間に追われがちでした。
子どもが思春期に入ったころに人生の節目を感じ、自分も子離れして本当にやりたかったことをやろうと、退職して創作活動の道へ。
いざ会社を辞めると今度は、たっぷり手にしたはずの時間がどんどん流れていくのに驚いたといいます。
「一日の予定を自分で選べるって、喜びでもあったけれど、慣れるまでつらくもありました。私はいつも考えすぎてしまう。頭の中が『あれもやらなきゃ、これもやりたい』でいっぱいになるから、時間を決めないとパンクするんです。いまはノートに書き出して、やることを明確にしています。そんなふうに自分のトリセツができ上がるにつれて、時間を意図的に使えるようになりました」
自分のトリセツに合わせた朝のルーティン3つ
マヤムーンさんの朝のルーティン_01
夜ごはんは、朝のうちに8割がたつくっておく
野菜を切ってゆでる、煮る、漬ける、ドレッシングをつくるなど1時間ほど料理に向き合う。オーブン料理を「あとは焼くだけ」の状態までつくりおくのが定番。
朝のうちに夜ごはんの準備をすませるのは、夜の自分がラクをするためでもあるけれど、一日の早い段階で「終わらせた」と思えるポイントをつくりたいから。
フリーランスという不確定要素の多い働き方ゆえに、家事のタスクのクリアを心の安定につなげている。
マヤムーンさんの朝のルーティン_02
コーヒーを飲みながら朝の庭をパトロールする
「植物が大好きで、庭付きのマンションを探したんです。毎朝、庭に出て、花殻を摘んだりしながらコミュニケーションしています」とマヤムーンさん。
料理に使うハーブや部屋に飾る花は、この庭で育てているものでまかなっている。友達への土産に庭の植物を束ねてブーケをつくることも。
マヤムーンさんの朝のルーティン_03
頭の中に浮かんだことを書きだして整理する
次々に考えが浮かんで、頭がいっぱいになるので、毎朝書いて整理する時間が不可欠。やりたいことや感情を書き記したりする日記と、今日のToDoを紙に書き出すノートと、合わせて1時間ほど向き合っている。
「あとから読み返すのも楽しいんです」とマヤムーンさん。
〈撮影/林 ひろし 構成・文/石川理恵〉
本記事は 別冊天然生活『暮らしのまんなか』vol.40(扶桑社)からの抜粋です
一田憲子さんが編集を手がける『暮らしのまんなか』vol.40
一冊を通してのテーマは、「『時間』に乗っ取られない暮らし方」。掃除、洗濯、料理、仕事。やらなくてはいけないことが次々生まれて、一日があっという間に終わってしまうし、いつも時間に追いかけられている……と、お悩みの方も多いのではないでしょうか? そんな方に向けて、自分の手でハンドルを握り、時間を管理し、穏やかな気持ちで過ごす暮らしへ切り替えるための工夫をたっぷりお届けします。登場するのは、自分たちの生活で大切にしたい「暮らしのまんなか」をわかっている、12名。時間に対する考え方や、がんばらなくても続く収納方法、家事動線や収納をスムーズにする小さなDIYを紹介しています。
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マヤムーン
築20年以上の庭付き中古マンションに、夫、息子と3人暮らし。商社に勤務したのち、2020年よりフリーランスに。絵描き、詩人として創作活動をしながら無農薬栽培の畑を耕している。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、ワークショップ講師としても活動。インスタグラム@mayamoon0000