五十嵐可菜さんの“ヘルシーで健全”なあっさり中華つまみ
10人入ったらほぼ満席になる小さな店内。季節の食材を使ったコース料理は、洗練された美しさがありつつ、どこか素朴で、体に負担のないやさしい味わいです。
コースの最初に出されるのが、豆皿に入った前菜の盛り合わせ。その豆皿は、店主の五十嵐可菜さんが陶芸教室で自作したものだそう。ほかにもベトナムのソンベ焼きや、中国の景徳鎮の皿、ガラス作家のマーブル模様の皿など、器と料理の組み合わせにも目が離せません。
「お店のテーマはヘルシーで健全な中華料理。健康になるための料理ではなく、自分が健全であることも大切にしたいと思っています」
休みの日は外食することが多く、自分以外の人がつくる料理とお酒を楽しみます。
「ナチュラルワインが好きで、お店でもワインを推しています。ほかにも、クラフトジンと合わせたり、紹興酒でもソーダ割りにしたり、新しい組み合わせを試してみてください」
季節を問わずおいしい
「鶏むね肉としめじのごまソース和え」のつくり方
余熱で火を入れた鶏肉はしっとり。きのこと合わせたごまソース和えは、季節問わず、いつでもおいしい中華つまみ。
材料(2人分)
● 鶏むね肉 | 1/2枚 |
● 塩 | 鶏肉の重量の1% |
● しめじ | 1/2パック |
● ごまソース(*下記参照) | 大さじ2 |
● 太白ごま油 | 大さじ1 |
● パクチーの葉(好みで) | 少々 |
*ごまソース(つくりやすい分量)
● 白練りごま | 50g |
● しょうゆ | 大さじ1 |
● みりん | 大さじ1 |
● 砂糖 | 小さじ1 |
● 白ワインビネガー | 小さじ1 |
● 豆板醤 | 小さじ1/2 |
材料すべてを混ぜ合わせる。
※日持ちは冷蔵庫で1週間ほど。
つくり方
1 鶏肉の厚い部分を観音開きにして火が通りやすくする。塩をすり込んで10分おく。沸騰した湯に鶏肉を入れ、火を止めて蓋をし、30分ほどおいて余熱で火を入れる(1枚分ゆでておくとよい)。冷めたら汁気を拭いて細かくさく。
2 しめじは1本ずつに分け、沸騰した湯で10秒ほどさっとゆでる。ザルに上げ、粗熱を取る。
3 ボウルにごまソースと太白ごま油を入れて混ぜ、鶏肉としめじを加えて和える。器に盛り、ざく切りにしたパクチーの葉を添える。
memo
鶏肉はゆですぎるとパサつくので、余熱で火を入れます。肉の厚みを一定にすることと、蓋がぴったり閉まる鍋に入れるのがポイント。
五十嵐可菜さんのお気に入りの豆皿
お気に入りの豆皿を見せてもらいました。器選びの参考にしてみてください。
上海で購入した景徳鎮の定番柄の皿。 お店を始める前でしたが、将来の店で使えたらと思ってそろえました。
本記事は『うちの豆皿つまみ極上レシピ』(主婦と生活社)からの抜粋です
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6人の料理人&料理家が提案する、豆皿にのせてちょこちょこつまみたい、極上おつまみの厳選レシピ集
手のひらサイズの器にちょこんとつまみをのせて、ちびちびつまみながら、お酒をくいっと。“家にいながらお店気分が味わえる”と好評だった「うちの豆皿つまみ」シリーズ・好評第2弾。レシピを提案するのは、人気料理店の店主や今をときめく料理家の先生たち、計6人。体にいい食材を使ったつまみ、やさしい味わいの中華つまみ、とにかく早くつくれるクイックつまみ、ストック食材でつくれる乾物つまみ、おしゃれなフレンチつまみに、昭和の横丁つまみ…各人の個性あふれるつまみが次々登場します。それぞれの方が手持ちの豆皿の中からお気に入りを選び、盛りつけているのもこの本の大きな魅力のひとつ。眺めて楽しく、使って役立つ保存版の1冊です。
〈撮影/木村 拓(東京料理写真) 取材/広谷綾子〉
五十嵐可菜(いがらし・かな)
京都造形芸術大学在学中、四川料理店でアルバイトしたことがきっかけで料理の世界へ。その後上京し、数店舗の中華料理店で調理経験を重ね、2021年に東京・永福町に「中華可菜飯店」をオープン。全10席の小さな店で季節のコース料理をふるまう。ディナーは完全予約制。