• 身のまわりにあるものを生かして心地よく、楽しく、毎日を過ごす手仕事作家でライアー奏者の山下りかさんに、暮らしのなかの工夫をお聞きしました。
    (『天然生活』2022年1月号掲載)

    理想の空間は自分の手で

    神奈川・鎌倉の市街地を通り抜け、山へ続く階段を上がると現れるぽっかり開けた庭。

    その庭を囲むように建つ4軒の古い家のひとつが、山下りかさんの住まいです。

    以前は東京で、子どもと一緒に小さな一軒家に暮らしていたのだそう。子どもが独立し、自然豊かな場所で第二の人生を楽しみたいと物件を探していたときに、友人が紹介してくれたのがこの家でした。

    「雨もりがするほどボロボロだったけれど、私は小さいころから手を動かして何かをつくるのが好き。家も自分で手を加えてみたいと胸が高鳴り、引っ越しを決めました」

    家の土台や柱、天井は大工さんが補修。それ以外は、DIYが得意な友人の力を借りて、住みながら手をかけてきました。

    雨もりがひどい部屋の床をはがし、ホームセンターで見つけた古い耐火レンガを敷きつめて土間に。

    土間から庭に直接出入りできるよう、新たに玄関を設置。ドアは、以前建てた小屋を解体したときに出た、廃材を再利用しています。

    「土間は時間をかけてつくったので、頰ずりしたいほど気に入っています。仕上がりは完璧ではないけれど、イメージに近いオリジナルなものがつくれたので満足しています。余っていた廃材を利用することができたのもよかったです。役目を終えたものに新たな使い道を見いだすことが、単純に楽しいしうれしい

    工夫
    自分の理想の空間は、自分の手でつくる

    なんでも自分でやってみたい性分の山下さん。住まいも、基礎の修繕は大工に任せ、それ以外は友人と一緒にDIYをしています。

    画像: 見た目が好みでない昔ながらのトイレのドアを、手持ちの廃材の板を貼ってリメイクした

    見た目が好みでない昔ながらのトイレのドアを、手持ちの廃材の板を貼ってリメイクした

    「旅先で見かけた素敵な風景や、思いついたイメージに近づくよう手を動かすのは、本当に楽しいです。庭の手入れも加わり、こんなに体をたくさん動かすのは初めて。おかげで筋肉がついたし、夜はぐっすり眠れるように。人生のなかで、いまが一番健康です」

    画像: セメントの粉を床にまいてレンガを並べ、目地を入れ水をまいた。「水で練ったセメントを塗る方法は難しいからと友人が教えてくれました」

    セメントの粉を床にまいてレンガを並べ、目地を入れ水をまいた。「水で練ったセメントを塗る方法は難しいからと友人が教えてくれました」



    <撮影/大森忠明 取材・文/小松﨑裕夏>

    山下りか(やました・りか)
    雑誌『オリーブ』のスタイリストを経て渡米。現在は手仕事作家、ライアーという竪琴の演奏家として活動。年に4回、ライアーのミニコンサートを開催。https://rikayamashita.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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