(『天然生活』2022年1月号掲載)
工夫
小さなひらめきであるものを生かす
必要なものが出てきても、すぐに新しく買い足しません。
まずは、身近にあるもので代用できるかどうか考えるのが習慣となっています。
髪の毛を束ねるのに使っているのは、子どもが幼いころに使っていた箸。

髪のまとめ方はかんざしと同じ要領で。おだんごをつくり、箸を挿したら、右回りに動かしながら箸を起こしてねじると固定される
「私は髪の毛の量が少ないので、市販のかんざしだと長すぎて使いにくいんです。短い棒状のものがないかと家を見渡し、この箸が目に留まってひらめきました。試したらぴったりでした」
工夫
お気に入りの服は何度でも繕う
お気に入りはずっと着たいから、しみや穴があっても繕って着ています。しみがひどいものは野良着として活用。

繕いだらけの「トゥジュー」のコットンシルクのカシュクールワンピース。生地に近い色の糸で繕っているので目立たない

当て布を縫い付けたら、擦り切れた部分をひたすらなみ縫い
「憧れの女優、キャサリン・ヘプバーンが、写真集のなかで繕ったパジャマを着ていて、着るものに対する思いがすごく素敵に思えたんです。ターシャ・テューダーの服も当たり前のように繕っています。それらを見て、破れたから捨てるという考えはなくなりました」
<撮影/大森忠明 取材・文/小松﨑裕夏>
山下りか(やました・りか)
雑誌『オリーブ』のスタイリストを経て渡米。現在は手仕事作家、ライアーという竪琴の演奏家として活動。年に4回、ライアーのミニコンサートを開催。https://rikayamashita.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです