(『天然生活』2022年1月号掲載)
工夫
古い家具に新しい息吹を与える
レトロな食器棚は学生時代に拾ったもの。
「大学構内に処分されていた棚で、同級生たちにリヤカーで運んでもらいました。ひとり暮らしのときから使って、いまも活躍中です」
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大学の研究室で使われていたと思われる棚を食器棚に。冷凍・加熱ができる便利なガラス容器を上に置く
家具や床材が乾燥してきたなと思ったら、みつろうやオイルを、茶色が強いものは柿渋を塗ってメンテナンス。色あせや傷が気になれば、自然塗料で着色を。
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テーブルクロスに施した伯母の刺しゅうをスツールの座面に移して残す
「ほんの少し手を入れてあげると、いい風合いに育ちます」
工夫
不便な設備が気づきをくれる
はなれの設備は必要最低限。小さな洗面台と水栓は、どちらも手頃な価格で手に入る、簡素なもの。
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トイレと同じスペースにある、小さな洗面台。温かみのある空間で小さくとも気持ちよく使えて、シンプルな設備でも十分事足りるとわかる
けれど、木の台やニッチをつくることで備品も置けて十分に事足りるそう。台所のオープン棚もDIYでつくり、器や道具も必要なものだけに。
「お湯のありがたみを感じたり、工夫してつくったり、当たり前に使っているものの大事さに気づき、暮らしに本当に必要なものも見えてきます」
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エアコンを入れなくても湯たんぽで温か。仕事中や団らんのときも足元に置いたり、おなかに載せたり
<撮影/わたなべよしこ 取材・文/宮下亜紀>
和田 純(わだ・じゅん)
設計事務所「春はる摘つみ」主宰。最近では『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で知られる翻訳家・服部雄一郎さんの住まいを設計。住み継がれる家を目指す。インスタグラム@hal_08032
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです