(『天然生活』2022年1月号掲載)
本物がもたらす豊かさ
家族と笑ったり、ケンカしたり、ほっとしたり。なんでもない毎日こそ、かけがえのないもの。
そう実感できる家をつくりたい。
シンプルだけど、愛着がわいて、住み継ぎたくなる家。建築家・和田純さんはそんな思いで、無垢の木の家を設計してきました。
「いずれその人が家を出ても、壊されず、だれかが引き継いで住みたくなる、価値ある家。無垢の木なら、それがかなうと思うんです」
本物には価値がある。
和田さんは自然素材でていねいにつくられたものが好きで、若いころから愛用してきました。
工夫
環境にやさしいものを日常使いする
プラスチックの容器に代えて常備菜はガラス容器に保存し、娘さんのお弁当は曲げわっぱで。
レザーの窓ふきは、妹さんのドイツ人の夫からの贈り物。
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ドイツのウィンドウクロス。やわらかなレザーで、石けんを使わず汚れをオフ。窓はもちろん、鏡を磨くときも。「使い捨てではないのがいいです」
「少し濡らして磨けば汚れがすっきり落ちる。ドイツは環境への意識が高いです」
最近愛用するのが、米ぬか酵素パウダー。微生物の働きで、排水をきれいにするそう。
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詰め替え用もある、米ぬか酵素洗顔クレンジング。原料は米ぬか、小麦フスマ、紅麴菌など自然のものを
「洗顔&クレンジングに」
毎日使うものだからこそ、環境に配慮して。
工夫
小さな明かりで過ごす
「照明は最も手軽に空間を変えられる、優秀なアイテムだと思います」と、和田さん。
夜は明かりを落とし、少し暗いなかで過ごすそう。
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キッチンはシンクと食器棚のそばに照明を。「料理するときは手元を明るく。調光できると便利です」
「娘たちには不評なんですけど、夜はオフモードに切り替えてリラックスして過ごしたいので。明かりを落とすと、心が落ち着き、必要最低限の明るさで過ごすことで、上質で豊かな時間になります」
調光できる照明でシーンに合わせてほどよい明るさに。
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母から譲り受けたフランスの古い燭台。火を灯すとたちまち雰囲気よく
<撮影/わたなべよしこ 取材・文/宮下亜紀>
和田 純(わだ・じゅん)
設計事務所「春はる摘つみ」主宰。最近では『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で知られる翻訳家・服部雄一郎さんの住まいを設計。住み継がれる家を目指す。インスタグラム@hal_08032
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです