(『天然生活』2023年4月号掲載)
“食べものを傷ませない”がクリアしていれば、お弁当づくりはすべて正解
「大丈夫、大丈夫。もっと気楽に考えてくださいね。自分の好きなおかずを、自由に詰めるのがお弁当ですから」と野上さん。
本当に気をつけることはただひとつ、それは“食べ物を傷ませないこと”。ここをクリアしていれば、どんなお弁当も、すべて正解。
「傷み防止には、まず詰める前、ふたをする前にしっかり冷ましておくこと。あとは、お弁当箱を清潔に保つことですね」
また、できるだけ食材に火を入れておくことも忘れずに。たとえばハンバーグのソース。お弁当箱に詰めたあとにトマトケチャップをちょろりとかけるより、フライパンの中でしっかり煮からめた方がより安心です。
「味がいっそうなじんでおいしくなるから、一石二鳥でしょう? さらに、残ったソースを仕上げにのせれば見た目も完璧。お弁当って、つくりつづけるほど楽しくなるし、自分好みに仕上げる工夫ができるようになります。同じおかずでも、お弁当箱によって見え方は一変しますし、それこそ同じお弁当箱でも、詰め方ひとつで印象が違うのが面白いところ」
何より不思議なことに、お弁当箱に詰めれば、いつものおかずもなんだか楽しげ。大好物をたくさん詰めれば、わくわくするお弁当生活がスタートです。

「お弁当は、好きなようにつくるのが一番。見栄えのよさなんて気にする必要はまったくないし、個人的には“茶色一色のお弁当、最高”って思っています」
野上さんおすすめ、あると便利なお弁当の道具
お弁当づくりをより楽しく、効率よくする道具の数々。調理、盛りつけ、詰めるとき。ベストな道具がこちらです。
盛りつけ用のさい箸

おかずの間にすき間をつくったり、形をくずしたくないものをそっとつまんだり。「あるとないでは、仕上がりが段違い」
ミニマドラー・ミニスパチュラ・ミニ泡立て器

少量を料理するお弁当では、使うボウルや鍋も小さめ。だからツールも小ぶりがおすすめ。「洗いものも、断然楽に」
経木・クッキングシート


カップ代わりにしたり、仕切りにしたり。「経木を上に1枚かぶせれば、上下の揺れによるお弁当の崩れも防げます」
〈監修/野上優佳子 撮影/星 亘 取材・文/福山雅美〉
野上優佳子(のがみ・ゆかこ)
30年以上お弁当をつくりつづけ、300個以上のお弁当箱を使用した経験をもつ。お弁当に特化したレシピ本も多数執筆。
https://mealinsight.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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天然生活2025年4月号では、お弁当の特集をしています。ぜひあわせてお楽しみいただけましたら幸いです。