大根のこと

この時季、甘みが増しておいしくなる大根。主に流通しているのはみずみずしい青首大根です。甘みがある葉に近い部分はサラダや大根おろしなど生食に、辛味が強い先端は薬味や漬物に、中央部分は煮ものなどに向いています。
大根には消化を促進する複数の消化酵素が含まれていて、そのひとつ、ジアスターゼは胃腸の動きを活発にし、胃もたれや二日酔いを防ぐ効果があります。ジアスターゼは熱に弱く、空気に触れると効果が低下するので、効果を期待する際は生で食べるのがおすすめです。
また、豊富な食物繊維が腸内環境をととのえるほか、血管を拡張し、血圧を下げてくれる働きがあります。 美肌効果も高く、コラーゲンと一緒に摂ると皮膚や細胞の生成を促進する作用があります。
皮の近くはかたい繊維があるので、皮は厚くむき、きんぴらなどにしておいしくいただきましょう。
大根の保存方法

大根は葉がついているものは、葉に栄養が取られ、根にスが入ってしまうので、必ず根と葉を切り離します。
根は新聞紙やラップに包んで野菜室に立てて保存。葉はごま油で炒め煮にしたり、お味噌汁に入れたり。すぐに食べないときは、下ゆでして冷蔵か冷凍保存するとよいでしょう。
大根の皮のきんぴらのつくり方

皮はお好みで数時間〜数日間干して使っても、違う食感になっておいしい。
材料(つくりやすい分量)

● 大根の皮(幅10×長さ5cm) | 2枚 |
● ごま油 | 大さじ1 |
● 赤とうがらし | 1~2cm |
● 三温糖 | 大さじ1/2 |
● 酒 | 大さじ2 |
● しょうゆ | 大さじ1/2 |
● 白ごま | 小さじ1 |
つくり方
1 大根の皮は繊維に沿ったせん切りにする。

2 フライパンにごま油と小口切りにした赤とうがらしを入れて熱し、1の大根を入れる。油がなじんだら三温糖を加え、照りが出るまで炒める。酒、しょうゆを加え、汁けがなくなるまで煮詰める。


3 器に盛って白ごまをふる。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司 取材・文/佐藤雅子〉

松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命 』(文化出版局) amazonで見る など。
インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu
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