1年の節目を祝う行事には奥深い意味があります。「室礼三千」の山本三千子さんに、花祭の室礼を教えていただきました。うどやそら豆、黄色いすみれなどを使い、お釈迦様の誕生を祝う様子を表現しています。
(『天然生活』2022年4月号掲載)
(『天然生活』2022年4月号掲載)
花祭の室礼
室礼(しつらい)とは、お正月や雛祭などの年中行事の際に、ものに思いを込めて祈る、日本の美しい暮らしの文化のこと。
4月8日は、お釈迦さまの誕生を祝う「花祭」。
室礼の教室「室礼三千(しつらいさんぜん)」を主宰する山本三千子さんに、花祭の室礼を見せていただきました。
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花祭の室礼
春を彩る花や野菜でお釈迦様の誕生を祝福

ひとりで生きるお釈迦様の姿を表す「独活(うど)」、さや先が天上を指し、仏豆の別名をもつ「そら豆」、仏の座などの「春の花」など、お釈迦様にまつわるものを皿に盛りました。
仏様の色である黄色をすみれで表現しています。甘茶を添えて。
材料
釈迦像(誕生仏)、独活、そら豆、春の花(仏の座・桜・つつじ・すみれ・春蘭)、皿
〈撮影/萬田康文 取材・文/野上郁子 協力/shitsurai.japon〉
山本三千子(やまもと・みちこ)
夫の死に直面した際、年中行事で心が救われたことを機に、南宋瓶華四世・田川松雨氏に師事し、室礼を学ぶ。「室礼三千」主宰。著書に『室礼おりおり』(NHK出版)、『暮らしの室礼十二か月』(淡交社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです