• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、冬におすすめの保存食「おから白味噌」のつくり方を教えていただきました。大豆をゆでる必要がないので、とても簡単です。

    おからの薬膳的効能ついて

    おからは豆腐をつくる際、豆乳をしぼったあとに残る大豆の皮や繊維で、食物繊維やカルシウム、大豆サポニン、レシチン、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。

    薬膳では、胃腸の調子を整え、腸内環境を改善し、熱を取り去り、出血を止める働きがあるとされます。胃もたれ、食欲不振、吐き気、腫れ物などに有効です。また、大豆イソフラボンを含むため、更年期障害の改善も期待できます。

    このおからに麹を加えて発酵させた味噌も、お腹を温めて胃腸の働きを活性化し、消化吸収力を高め、解毒作用に優れます。麹菌や酵母菌などが摂取できるのも利点です。

    【保存食】おから白味噌のつくり方

    画像: 【保存食】おから白味噌のつくり方

    一般的な米味噌は、大豆と米麹と塩でつくりますが、大豆の代わりにおからでつくることもできます。

    大豆をゆでてつぶすのは、時間もかかりますし、なかなかの重労働。おからならその手間が省け、混ぜるだけですから、とにかく簡単であっという間に仕込み終わります。

    豆腐をつくる過程で大量に出るうえ、日持ちがしないために食品廃棄物として捨てられることも多いおからを、味噌にして有効活用できるのもメリットです。

    自家製の味噌は、麹や塩の量を調整して、自分好みのお味噌をつくることができますが、私は色白のおからの特徴を生かして、麹の量を多めに、塩分量は少なめの白味噌にするのがお気に入りです。

    長期熟成しないで早めに仕上がるのもうれしいですね。

    材料(米味噌仕上がり約1kg、塩分濃度約8%の場合)

    ● 米麹(生)480g
    ● 生おから200g
    ● 塩70g
    ● 成分無調整豆乳100g

    つくり方

     米麹を大きめの鍋やボウルに入れ、塩を加えてよく混ぜる。

     におからと豆乳を加えてよく混ぜ合わせ、10個くらいの団子状にまとめる(団子にならずにパサつく場合は豆乳を少しずつ足していく)。

    画像: 団子状にまとめながら空気を抜く

    団子状にまとめながら空気を抜く

     清潔なジッパー付き保存袋に詰めて平らにならし、中の空気を抜いて袋の口を閉じる。冷暗所に1カ月ほどおいて発酵させ、その後は冷蔵で保存する。

    ※乾燥麹の場合は、麹320gを豆乳160gに30分程度浸して、戻してから使う。
    ※仕込みから1カ月後ぐらいから食べられるが、3カ月ぐらいおいたほうがまろやかになる。
    ※早く食べたい場合は、ヨーグルトメーカーや炊飯器、電気毛布などを使って。60度前後で8〜10時間ほど保温すれば早めにでき上がる。
    ※冷蔵庫で約半年保存可能。

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    別冊天然生活『山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』

    別冊天然生活『山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(扶桑社)

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    古民家で自然に沿った暮らしを楽しんでいる薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。旬の食材を使った滋味豊かなレシピや発酵食など、心身を健やかにするヒントが満載。


    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(扶桑社)、『からだが整う一汁一菜―なじみの食材と調味料でできるおうち薬膳』(主婦と生活社)、『二十四節気を愉しむ 季節の保存食』(マイナビ出版)などがある。



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