• 料理家のきじまりゅうたさんに、きじま家3代に伝わる初夏の味「おいなりさん」と「とりそぼろおむすび」のつくり方を教えていただきました。祖母の故・村上昭子さん、母の杵島直美さん、息子のきじまりゅうたさん。3代続く料理研究家の家に生まれたきじまさんの周りには、幼いころから旬の料理があふれていました。貴重な昔話も伺います。
    (『天然生活』2020年6月号掲載)

    「おいなりさん」のつくり方

    画像: 「おいなりさん」のつくり方

    週末人が来るからといっては、何かにつけ、いなり寿司でした。ピンクに染まった、みょうがと新しょうがの甘酢漬けを添えます。

    材料(12個分)

    ● 米2カップ
    ● 油揚げ6枚
    ● A
    ・だし汁2カップ
    ・しょうゆ大さじ6
    ・みりん大さじ4
    ・砂糖(あればザラメ)大さじ4
    ● 〈すし酢〉
    ・酢大さじ4
    ・砂糖大さじ2
    ・塩小さじ1/2

    つくり方

     油揚げは半分に切る。箸を麺棒のように置き、押しながら転がして、ポケット状に口を広げる。

     フライパンの中央をあけてドーナツ状に油揚げを並べ、かぶるくらいの水を注いて火にかける。煮立ったら落としぶたをし、吹きこぼれない程度の中火で5分ほどゆで、ゆでこぼす。

     を水にさらして、こするように洗って水けを押ししぼる。

     フライパンにを入れ、と同様に油揚げを敷き詰めて火にかける。煮立ったら落としぶたをして弱火で15分ほど煮る。火を止めてそのまま粗熱を取り、余裕があれば冷蔵庫に入れて、ひと晩味を含ませる。

     米をといでかために炊き、飯台または大きめのボウルにあけて、混ぜ合わせたすし酢を加えて切るように混ぜる。

     を手のひらではさみ、汁けを軽く押ししぼる。の酢飯を12等分して俵形に軽く丸め、油揚げの口を開いて入れる。底の角に押し込むイメージで指で詰め、口を折って整える。少しおいてなじませてから食べる。

    きじま家3代のエピソード

    とにかくたくさんつくっては、お重に詰めておすそ分けしていました。お揚げはザラメで煮るとコクが出ます。多めに煮て、きざんであえものにしたり、うどんにのせたりも。

    おいなりさんに添えるとおいしい
    「新しょうがとみょうがの甘酢漬け」のつくり方

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

     新しょうが200gは繊維を断つように薄切りにする。みょうが3個は縦半分に切る。

     容器に甘酢の材料(酢150mL、砂糖大さじ4、塩小さじ1)を混ぜる。

     をさっと湯がいてざるにあげて水けをきり、熱いうちにの容器に入れて混ぜる。1日以上漬け込む。

    「とりそぼろおむすび」のつくり方

    画像: 「とりそぼろおむすび」のつくり方

    学生時代、母が日々このおむすびを握って持たせてくれていました。のりを巻いても。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 鶏ももひき肉200g
    ● しょうが1片
    ● 温かいごはん適量
    ● A
    ・しょうゆ大さじ2
    ・みりん、砂糖各大さじ1

    つくり方

     しょうがは皮をむき、みじん切りにする。

     小鍋にを入れ、ひき肉としょうがを加えて箸でパラパラになるまでかき混ぜてから火にかける。煮立ったら弱めの中火で汁けが少し残る程度まで煮詰め、火を止めてそのまま粗熱を取る。

     ごはんにのそぼろを加えて混ぜ、おにぎりにする。

    きじま家3代のエピソード

    甘辛く煮た鶏そぼろを温かいごはんに混ぜて、おむすびに。ラップで包んだものを、一年中、よく学校に持たせてくれていました。しょうが効いててあっさり味なのがうまい。



    〈料理/きじまりゅうた 撮影/公文美和 スタイリング/久保原恵理 取材・文/吉田佳代〉

    きじま・りゅうた
    3代続く家庭料理研究家の家庭に育つ。基本を踏まえたつくりやすい料理、温かな人柄にファンが多い。雑誌やテレビ、ラジオなどのほかYouTuberとしても活躍。公式YouTubeチャンネル『きじまごはん』では、いつもの料理が楽しくなる動画や、ちょっとしたコツをていねいに紹介している。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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