(『天然生活』2024年5月号掲載)
林さんの人生を豊かにした4つの習慣
1 本も、木の実も。分類癖で整理する

集めた木の実を種類別に分類、いつでも目に入る場所に置いて
本棚にある大量の本もテーマ別に分類。そのほか、木の実、くぎ、ボタン、ワイヤーまで。
さまざまなものが分類されて部屋の中に置かれています。
「面白そうだなと思うものは捨てられずにとっておきます。その際、バラバラに置いているとごみ同然になってしまうけれど、ジャンル別に分けておくと楽しいものに見えてきます」
2 捨てる前に考える“もったいない癖”
戦中戦後の物が少ない時代に育った林さん。
「何かがなくなればそれっきり、というのが本当に怖かった」
それ以来、捨てる前に何かほかのことに使えないか、よく考える癖が体にしみついています。
「パテ屋の総菜をつくる際に出る野菜の切れ端は、まかないのスープに入れるなど、食材もなるべくむだにしないようにしています」
3 できないことは一旦おいておく
「好き嫌いや得手不得手がはっきりしているほうだと思います。興味がないものはまったく目に入らない」
家事のなかで苦手なのは、掃除。スタッフもいる作業場なので、水回りなどを中心に定期的にプロに掃除をお願いしています。
「スタッフ同士も、得手不得手で仕事をうまく役割分担していて、いつも感心します」
4 本に挟んだ知識のストック

切り抜きやメモがぎっしり挟んである本は、まさに情報の宝庫
興味をもったテーマの本はためらわずに入手。そうして集めた本のページの間に、関連する記事の切り抜きなどをどんどん挟んでいきます。
「ノートをとるのが苦手なので、その代わりでもあります」
積み重ねてきた膨大な知識のストックがあるからこそ、新しい情報に出合った際の受け止め方もよりいっそう豊かになるのです。
<撮影/林 紘輝 取材・文/嶌 陽子>
林のり子(はやし・のりこ)
日本大学建築学科卒業後、オランダ、パリの建築事務所に2年間勤務。帰国後結婚し、建築アトリエに勤務。‘73年にパテ屋開業。同時に世界の食の仕組みを探る「〈食〉研究工房」を設立。『宮城のブナ帯食ごよみ』(宮城県農政部)など作成。著書に『パテ屋の店先から かつおは皮がおいしい』(アノニマ・スタジオ)。インスタグラム@nori_pateya
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです