• インテリアコンサルタント内藤 怜さんに、ものを買ったり捨てたりしなくても、家具の置き方を替えるだけで心地よい空間に整う“家具の配置ルール”を教わります。今回は「家全体」をすっきりさせたいときに参考にしたい配置のポイントを紹介します。
    (『天然生活』2024年6月号掲載)

    「家全体」が整う配置ルール 01
    部屋のまんなかにソファを置く

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 01 部屋のまんなかにソファを置く

    すっきり見えて心地よい部屋をつくるポイント。それはずばり「フォーカルポイント」と「死角」です。

    フォーカルポイントとは、ドアを開けた瞬間に目に入る景色、死角は逆に視界に入らない場所です。

    大切なのはこのフォーカルポイントに、「自分たちがくつろげる場所」をつくること。

    リビングであれば、ドアを開けてすぐ目の前、つまり部屋のまんなかにソファを置きます。ダイニングならダイニングテーブル、書斎なら机、寝室ならベッドがフォーカルポイントにあるようにします。

    その部屋の目的に合わせた主役がフォーカルポイントにあることで、その部屋が広く感じられ居心地のよいものになるのです。

    逆に死角は、ごちゃごちゃしがちなものを置く場所にすることで、部屋がすっきり見えます。

    ドアを開けてソファがあると、気持ちがホッとしてくつろぎたくなると同時に、ごちゃごちゃしたものが見えにくいので、多少散らかっていても気になりません。

    「家全体」が整う配置ルール 02
    家具は2種類しかない

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 02 家具は2種類しかない

    家具は2種類に分かれます。

    ひとつは「住み手のための家具」で、ソファ、ダイニングセット、ベッド、机など。

    もうひとつは「もののための家具」で、本棚、カラーボックス、テレビ台、収納棚など。

    家具の種類が多いと配置を考えるのも難しく感じますが、たった2種類だけならばレイアウトも簡単にできますよね。

    最初に自分や家族がくつろぐための家具をフォーカルポイントに置き、次に死角にもののための家具という順番で配置すればよいのです。

    「家全体」が整う配置ルール 03
    家具は兼用してはいけない

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 03 家具は兼用してはいけない

    家具を兼用することで、狭いスペースを有効活用する。一見合理的に思えますが、実はこれが部屋を生活感あふれた場所にする原因です。

    家具の兼用には
    ① 素敵なシーンをつくれなくなる
    ② ものの管理ができなくなる
    ③ 気持ちの切り替えがしづらくなる
    というデメリットが。

    とくにダイニングテーブルと勉強机、ソファベッドなどでソファとベッドを兼用すると、常にその家具を使っている状態となり、家の中が雑然としてしまうのです。

    「家全体」が整う配置ルール 04
    目立つ壁は引き算で整える

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 04 目立つ壁は引き算で整える

    リビングで一番目立つ壁は、フォーカルポイントに置かれた主役の家具の背景。

    壁が空いていると、ついものを飾りたくなりますが、飾りすぎはごちゃつきのもと。

    余白も重視して、主役に合った植物や絵、小物を飾って引き立たせるのがおすすめです。それだけですっきりしてオシャレになります。

    また、この壁はアクセントウォールとしてもオススメな場所。

    何も飾らなくても色や柄を入れた背景にすれば、それだけでおしゃれな印象になります。

    「家全体」が整う配置ルール 05
    子どもの絵は子ども部屋か廊下に

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 05 子どもの絵は子ども部屋か廊下に

    子どもの絵を飾るのはとてもよいのですが、飾る場所は慎重に考えたいもの。

    リビングに飾るとインテリアとチグハグな印象になりがちなので死角がおすすめ。

    一番しっくりくるのは、同じテイストのものが多い子ども部屋です。もしくは、家の廊下や階段にまとめて、美術館のようなイメージですっきりと飾ってみてください。

    何枚もベタベタ貼るよりも、きちんと額に入れてラインと余白を意識することで、子どもの絵でもぐっと引き立ちます。

    「家全体」が整う配置ルール 06
    広く見せるなら大きな鏡を

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 06 広く見せるなら大きな鏡を

    狭い日本の家の空間を広々と見せるのが「鏡のマジック」です。

    ぜひ取り入れてほしいのが、リビングの窓の向かい側の壁に大きな鏡を置くこと。

    部屋がぐんと広く見えるだけでなく、窓が両側にあるような演出効果があり、明るく開放感たっぷりに。

    鏡は大きければ大きいほどよく、目安は横80×縦60cm以上のものを選ぶこと。空間が広がるように壁に横長に固定するのがおすすめです。

    扱いやすく手軽なフィルムミラーも便利です。

    「家全体」が整う配置ルール 07
    机の上と玄関も鏡の居場所

    画像: 「家全体」が整う配置ルール 07 机の上と玄関も鏡の居場所

    リビング以外にも、玄関と机に鏡を置くのもおすすめです。

    玄関には左右の壁のどちらかに姿見を置けば、明るさと広さが倍増して見え、家の印象が格段にアップします。

    また、机に大きな鏡を置くと、奥行きが感じられるだけでなく、壁に向かって作業や勉強をするよりも集中できるという効果が。机をドレッサーとしても使えるので一石二鳥です。

    「家具は兼用してはいけない」と説明しましたが、自分の居場所となる机の場合はOKです。



    〈監修/内藤 怜 イラスト/ホリベクミコ 取材・文/工藤千秋〉

    内藤 怜(ないとう・れい)[レイチェル]
    インテリアコンサルタント・講師。インテリアコーディネーターとして結婚式場、ホテル、店舗、サロンなどを手がけて20年。2021年よりオンラインスクールを開校し「買わない・捨てない」で「自分の手」で胸がキュンとする自分の部屋をつくることを指南。著書に『ソファは部屋の真ん中に』(自由国民社)がある。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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