タイで出合った、濃厚アイスミルクティー「チャーノムイェン」
灼熱の太陽の下で
タイのミルクティー「チャーノムイェン」は、これでもかっていうくらい甘い。けれどその甘さは、灼熱の太陽の下だとむしろ心地よいくらいになるから不思議だ。
中でも老舗紅茶ブランド「チャトラムー」の茶葉が有名。茶葉にオレンジの葉や花、八角、バニラなどの香料がブレンドされたもので、市場でもスーパーでもタイ中どこでも手に入る。
タマリンドという南国のフルーツで着色されていて、アイスティーを作るとまず、抽出される紅茶の強烈なオレンジ色に驚く。そこへ大量のコンデンスミルクと牛乳、氷を加えて完成。
これこそが、タイで飲むミルクティー。独自の文化を築いているのだ。帰国して、手元の材料でそれを再現できないかと日々苦戦。ようやくこのレシピができた。
色は紅茶の自然な色みのみ。八角とバニラの甘さにシナモンとクローブを加えて奥行きを出す。
日本の夏も年々暑さのレベルが上がるから、これくらい濃厚なアイスミルクティーが今後は求められるかもしれない。




コクのある甘さがクセになる
ミミロータス流「チャーノムイェン」のつくり方
八角やバニラの甘さや香りがクセになる、濃厚なアイスミルクティー。
材料(約3 杯分)
● 紅茶の茶葉 | 20g |
A | |
・八角 | 4〜5個(5g) |
・シナモン | 10〜15g |
・クローブ | 5〜6粒 |
●水 | 600〜650mL |
●バニラエッセンス | 5〜6滴 |
●コンデンスミルク | 大さじ6〜9(90〜135mL) |
●牛乳 | 200mL |
つくり方
1 鍋に水と茶葉、細かく潰したAを入れて火にかけ、沸騰したら弱火~中火で5分ほど煮出す。
2 鍋を火からおろし、粗熱が取れたらバニラエッセンスを加え、茶こしでこす。この時茶葉やスパイスをスプーンでおさえて最後までギュッとしぼる。
3 カップにコンデンスミルク(甘さは好みで調節する)と2、牛乳を、材料の1/3ずつ加え、よく混ぜる。
4 最後に氷を入れる。
★仕上げにエバミルク(無糖練乳)を少し加えるとコクが出ます

〈料理・撮影・文/吉池浩美〉
※ 本記事は『旅のち、チャイ』(婦人之友社)からの抜粋です。
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紅茶とスパイス、牛乳を煮出し、たっぷりの砂糖を加えるインド式ミルクティー「チャイ」。長野の人気チャイ店「mimiLotus(ミミロータス)」店主のとっておきのチャイや焼き菓子のレシピを、ネパールやインド、東南アジアの旅ノートと共にお届けします。
吉池浩美(よしいけ・ひろみ)
中学時代に、両親の勧めで訪れたネパールでチャイと出合う。自由学園卒業後、神奈川県の「紅茶専門店ディンブラ」で故・磯淵猛に師事。2005年鎌倉に「紅茶専門店ミミロータス」を開き13年間営業した後、閉店。1年間ネパール各地で現地の人々にチャイをふるまう旅をする、現在は長野県東御市でチャイと焼き菓子の店「mimiLotus」を営む。
インスタグラム:@mimi.lotus
