「鉄のフライパン」基本のお手入れ(洗い方)
金属の中で鉄は油馴染みナンバーワン。油と馴染めば、焦げつきにくくなり、錆びにくくもなります。もし赤錆が出ても磨けば大丈夫。一からやり直せるのが鉄の良さです。
1 触れるくらいに冷めたら洗い始める。油分はキッチンペーパーなどでひと拭きする。

2 シュロタワシで洗う。油分をほどほどに残したいので洗剤はつけない。

3 洗剤を使いたい気持ちを我慢して、そのまますすぐ。

4 空焚きして水分を飛ばす。空焚き後、油は塗らない。ベトベトして油が酸化するため。

※使う時の注意点
初めて使う時は、油を入れてくず野菜を炒める。焦げてしまった時は、シュロタワシで焦げを落としてから油を入れてくず野菜を炒める。


使う道具 シュロタワシ
洗剤 使わない
乾かし方 空焚き
しまい方 乾いたらそのまましまう(油は塗らない)
日野さんの著書『台所道具の選び方、使い方、繕い方』(グラフィック社)』では、鉄フライパンの赤錆の落とし方などについても詳しく紹介しています。
本記事は『台所道具の選び方、使い方、繕い方』(グラフィック社)からの抜粋です
* * *
〈撮影/吉崎貴幸 撮影協力/モノ・モノ〉
台所道具、困ったときのお手入れバイブル
よい器や道具に対する消費者の意識が高まる昨今、長持ちさせるための手入れのハウツーが求められています。ひとり問屋として、長年あらゆる台所道具を扱ってきた日野明子さんが、プロならではの視点から道具の選び方と正しいメンテナンス術を公開。化学的知識にもとづく、目から鱗のお手入れ本です。
日野 明子(ひの あきこ)
1967年神奈川県生まれ.共立女子大学家政学部生活美術科で、故秋岡芳夫先生の講義を受ける幸運を得る。就職した松屋商事株式会社で、北欧と日本のクラフト品の営業を7年。1998年に会社が解散したことをきっかけに1999年独立。企画卸問屋「スタジオ木瓜」として、ひとり問屋を始める。生活に関わる日本の手仕事の現場を巡り、関連の展示や企画協力、産地へのアドバイス、大学での講義なども行う。著書に『うつわの手帖1(お茶)』『うつわの手帖2(ごはん)』(共にラトルズ)、『台所道具を一生ものにする手入れ術』(誠文堂新光社)ほか、雑誌やウェブマガジンへの寄稿も多数。