(別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』より)
値段が少し高くても、本当に気に入ったものを選ぶ
坂井さんが大事にしていることがもうひとつ。
それは、本当に気に入ったものを長く使いつづけるということです。一度、手に入れたら、修理や手入れをしながら長くつきあいます。
「そういうものは、値段がほかより少し高いということもあるかもしれません。
でも、その分、長く愛着をもって使いつづけることができます。
次々と新しいものに買い換えるより、結局はお金がかからない気がします」

「この山ぶどうのかごバッグは長年使っているうちに革のようにやわらかくなりました」と坂井さん
リビングで印象的な存在感を放つ年代ものの和簞笥は、ひと目見て欲しいと思い、手に入れたもの。
「そのときはお金の持ち合わせがなかったのに、最終的には買うことができました。本当に欲しいものって、不思議となんとか手に入るものなんですよね」
暮らしの道具は、便利な機能がついたものがどんどん出回りますが、「結局はシンプルなもののほうが、応用も利いて使いやすいですね」とも。
三世代でにぎやかに暮らす坂井さん。
そこでは孫たちの世代へとつながる“やさしい暮らし”が紡がれています。
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〈撮影/林 紘輝 取材・文/工藤千秋〉
坂井より子(さかい・よりこ)
神奈川・葉山での長年の専業主婦歴を生かし、自然体で楽しむ家庭料理や暮らしの知恵を若い世代に伝える。近著に『飾らない。76歳、坂井より子の今をたのしむ生き方』(家の光協会)がある。
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坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。
共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。
自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。
【CONTENTS】
第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活