(別冊天然生活『エコでやさしい暮らし』より)
坂井より子さんに教わる「エコな家事」
「エコでやさしい暮らし」を実践している坂井より子さんに、エコな家事の工夫を教えていただきました。
「戦後のものがない時代を経験しているので、あるもので工夫するのが当たり前という感覚があるんです」と坂井さん。
いつも、ほかに使いまわせる方法がないかを考えます。
牛乳パック、びんや缶、プラスチック容器まで、まねしたいアイデアがいっぱいです。
身近なものを活用する、3つのアイデア
1 よく買うびんものやお菓子の缶
粉ものや調味料が入ったガラスのふた付きびんは、遠い昔、横浜・元町の輸入雑貨店で購入したインスタントコーヒーの空きびん。
また、マスタードはいつも同じメーカーのお得な大びんを購入するため、空きびんも活用しているのだとか。
「マスタードは風味が飛ばないよう中身は小分けし、空いた大びんに別のものを入れて使います」

棚に並ぶ調味料は大きさをそろえた空きびんを使って見やすく

調味料をお菓子の缶にまとめると出し入れが楽
2 牛乳パックは揚げものの相棒
使い終わった牛乳パック。肉や魚を切るときにまな板の上に敷いて使うという人は多いかもしれませんが、揚げものの油切りにも活用できるそう。
「牛乳パックを薄く2枚に開いた内側は、ざらざらで油をよく吸収してくれるので、揚げものに大活躍。
外側はコーティングされているので油を通さず、キッチン台も汚れません」

素揚げしたじゃがいもを、牛乳パックを開いた面にのせて油を切る

洗って切った牛乳パック

角から手で開いて使う
3 プラスチックもアイデア次第で
使用済みのプラスチック容器も、工夫次第で別の使い道がいろいろありそう。
マヨネーズやケチャップの容器はきれいに洗って平らに開いておけば、粉ものや液体を移し替えるときの漏斗に。移し替える容器の口に合わせて、サイズも自由自在に調整できます。
豆腐パックは、キッチンの引き出しの仕切り代わりにして、すっきりと。

廃油はマヨネーズ容器でつくった漏斗で容器に移し、市の回収に出す

散らかりがちなキッチンの引き出しも、豆腐パックで整理
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〈撮影/林 紘輝 取材・文/工藤千秋〉
坂井より子(さかい・よりこ)
神奈川・葉山での長年の専業主婦歴を生かし、自然体で楽しむ家庭料理や暮らしの知恵を若い世代に伝える。近著に『飾らない。76歳、坂井より子の今をたのしむ生き方』(家の光協会)がある。
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坂井より子さん、早川ユミさん、服部雄一郎さん・麻子さん、青木美詠子さん、本多さおりさんなど、15人の方々に、自然に寄り添う暮らしの様子を見せていただきました。
共通しているのは、楽しみながら工夫していること。それが、結果的にエコな暮らしにつながっていくような気がします。
自分にも地球もやさしく、心地いい暮らしのヒントを、この本の中に見つけてみてください。
【CONTENTS】
第1章 循環する暮らし/第2章 フードロスを減らす/第3章 お金の使い方を見直す/第4章 掃除・洗濯。道具のお手入れ/ごみを、ごみにしない暮らし方/始めよう、コンポスト生活/プラスチックを減らす生活