(『天然生活』2023年8月号掲載)
家事はできるときにすればいい
「家事は呼吸をするのと同じくらい、生きるうえで自然に行うことです」
そう語るのは、“ご機嫌な心でする家事”を提案する加茂谷真紀さんです。
家事が苦手、嫌いと思うのは、“自分の心を優先していない”からなのかもしれません。
「しなくてはという義務感や、できていないことへの自責の念が、家事嫌いを生んでいます。でも、家事は自分の心のまま、したいと思ったときにすればいいんです」
仕事や子育てで心も体もいっぱいいっぱいなのに、だれかのために心や体に無理をしてまで家事をしなくてもいいのです。

「自分の気持ちを優先する、つまり自分で自分の機嫌がとれるようになると、嫌いだった家事も楽しくなります。自分から掃除がしたいな、部屋に花を飾って整えたいな、と自分の居場所を居心地よくしたくなるものです」
最近はリモートワークの普及で、仕事と家事のバランスをとりやすくなったという人も増えています。
仕事の切り替えに家事をしたり、家事を人に頼めるようになったり、リモートワークがきっかけで心の余裕が生まれている人も。
「大切なのは、自分の心をゆるめてあげること。心の喜ぶことを優先して明るい気持ちでいることが、家事を楽しいものにしてくれます。そんなポジティブな気持ちで自分の居場所を整えると、家の中がプラスのエネルギーで満たされて、もっと毎日が心地よいものになっていきます」

〈監修/加茂谷真紀 取材・文/工藤千秋 イラスト/ヤマグチカヨ〉
加茂谷真紀(かもや・まき)
80年続く寝具店で生まれた東京生まれ、東京育ち。多忙なワーキングマザーとして家事・子育てを両立してきた経験から、「自分の機嫌のよさ」や「気持ちの明るさ」を重視した家事のあり方を提案し、多くの人から共感を得る。著書に『愛のエネルギー家事』『愛のエネルギー家事 すてきメモ303選』(ともにすみれ書房)などがある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです