うま味の引き出し方、3つのポイント
難しい工程ではなくとも、ちょっと面倒で省略してしまうことがあるかもしれません。
でもここだけは押さえておいてほしいポイントを整理します。
うま味の引き出し方01
「重ね蒸し」の重ね順を覚える
材料を重ねて蒸し煮をする場合は、重ね順に決まりがあります。底を陰として徐々に陽の食材を重ねます。ざっくりというと、植物が育つ状況の逆をイメージし、地下に育つ野菜ほど上に配します。
そうすると鍋の中で野菜のうま味が溶け合い、おいしさを引き出せます。

うま味の引き出し方02
ざるに上げて冷ます「丘上げ」
おひたしや和え物のための葉ものなどをゆでたあと、冷水に浸して色止めする手法がありますが、ざるに上げたあとうちわなどであおいで冷ますことを「丘上げ」といい、うま味の流出を防ぎます。

自然に水気をきりながら冷まします
うま味の引き出し方03
水っぽい仕上がりを防ぐ「醤油絞り」
ほうれん草や小松菜などの葉もの野菜をゆでて和え物やサラダにするときに、そのまま絞ると水っぽくなりがちですが、数滴醤油をたらして軽く絞ることで、みずみずしさやうま味を失わず下味もつきます。

葉ものは束にして根元から数滴たらし、軽く絞ります
本記事は『心と体をととのえる 玄米菜食ごはん』(世界文化社)からの抜粋です
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食べることは、生きること! 時間と体に負担をかけない“余白をつくるための食事”の提案
不眠、疲れ、片頭痛、肌荒れ…。病院に行くほどではないけれど、不調を感じることはありませんか? 安曇野にあるホリスティックリトリート穂高養生園で調理を担当する鈴木愛さんが、食材の力を最大限に生かした料理を紹介します。毎日の食事をつくる上で大切なのは、「無理をせずに続ける」こと。料理が負担になってはいけないので、この本では簡単につくれるスープを中心に、滋味豊かな野菜のおかずのレシピを提案しています。「豊かに生きる」ために、時間と体に負担をかけない“余白をつくるための食生活”を、ぜひこの本ではじめてみてください。
鈴木愛(すずき・あい)
1980年生まれ、東京都出身。映画やCMなどの衣装の仕事を経て食の世界へ。都内自然食レストランや、和食店で調理を学ぶ。2010年からホリスティックリトリート穂高養生園に勤務。自然に根差した野菜の調理法を学び、季節をベースとした食と体の結びつきを意識する。著書に『なんとなく不調をととのえるスープ』『穂高養生園が教えるやさしいおやつ』(世界文化社)がある。
穂高養生園:https://yojoen.com/