あじのこと

あじは日本近海で年間を通じて漁獲されますが、初夏から夏にかけて旬を迎えます。適度に脂があり、刺身、塩焼き、干物、フライなど、さまざまな料理で親しまれています。とくに新鮮なあじは刺身やたたきで食べると、特有のうま味と甘味を楽しめます。
あじはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸を豊富に含み、脳の働きを助け、血液をサラサラにする効果が期待されます。また、タンパク質やビタミンB群、カルシウム、鉄分などもバランスよく含まれるので、積極的に摂りたい食材です。
新鮮なあじを見分けるには、目が澄んでいて表面が光っているものを選ぶとよいでしょう。
あじの3枚おろしの仕方
尾から頭に向かって包丁を入れる方が多いですが、頭のほうから尾に向かっておろすのが松田さん流。料理教室の生徒さんがどなたでもおろせるようにと、このようなおろし方になったそうです。
1 まな板にあじをのせ、胸びれの下から包丁を入れ、頭を落とす。

2 包丁の先で、腹から肛門まで切れ目を入れて内蔵を取り出す。

3 頭の方から、背骨の上に包丁を水平に入れ、包丁を大きく揺すりながらおろす。裏面も同じように処理する。


4 指で身をなで、骨を見つけたら、人差し指と中指で挟み、骨抜きで抜く。

5 皮を表にまな板にのせ、背側の皮を爪で少しはがし、身をペーパータオルで押さえながら、皮をはぐ。

※骨は塩水につけて、油で揚げて、骨せんべいにするとおいしい。
あじの香味野菜たっぷりたたきなめろうのつくり方

薬味は種類と量がたくさん入るとおいしい。
材料(つくりやすい分量)

● あじ(中くらいのもの、3枚おろししたもの) | 2尾 |
● 青じそ | 1/2束 |
● にら | 10本 |
● みょうが | 1個 |
● しょうが | ひとかけ |
● 長ねぎ | 1/4本 |
● A | |
・味噌 | 大さじ1 |
・しょうゆ | 小さじ1 |
● きゅうり | 1本 |
● 白ごま | 小さじ1 |
● レモン | 適量 |
つくり方
1 みょうがは根元を切り落とし、縦半分に切り、薄切りにする。長ねぎは縦半分に切り芯を取り除き、薄切りにする。にらは根元を切り落とし、小口切りにする。青じそはまとめて巻いてせん切りにする。しょうがはみじん切りにする。



2 きゅうりは天地を切り落とし、なり口下のかたいところは皮をむき、縦半分に切り、なり口からスプーンなどで種を取る。包丁をきゅうりの上に寝かして置き、上から手で押しつぶし、5mm厚さに切る。



3 あじをまな板に並べ、小出刃を使ってたたく。小出刃がない場合は文化包丁を2本もってたたく。1の薬味をのせ、さらにたたく。


4 小さなボウルにAを混ぜて、味をみて調整し、3にかけてさらにたたく。
5 器に2のきゅうりをのせ、4を盛りつける。白ごまをふり、レモンを添える。

〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司 取材・文/佐藤雅子〉

松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命 』(文化出版局) amazonで見る など。
インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu
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