(『天然生活』2020年5月号掲載)
老眼鏡選びのポイント 01
日頃からアンテナを立てる
「雑誌や街中で眼鏡姿が素敵な人をチェック。デザインやかけ方を参考にするだけでも、イメージがわきます」と藤さん。
眼鏡を実際に購入する前に、何軒かの眼鏡店を下見がてら、ウインドーショッピングしてみましょう。
そのお店の雰囲気、取りそろえている商品の傾向を知っておくと、どこで買うかが決めやすくなります。
「“今日は下見なんです”と、ひと言伝えて店員さんに声をかけてみると、軽い気持ちで相談できますよ」

老眼鏡選びのポイント 02
信頼できる店員を見つける
「その先も相談にのってもらうので、この人なら安心、という店員さんを見つけたいところ」
信頼できる店員の条件は、
① きちんとした知識や経験がある
② 似合う・似合わないをしっかり伝えてくれる
③ 売りたい気持ちよりもその人のニーズを第一に考えてくれる
など。
「値段が手頃なチェーン店も魅力ですが、いつも同じ店員さんが主治医のように接客してくれるという点では、町の眼鏡屋さんもおすすめです」

老眼鏡選びのポイント 03
“楽しい”と感じる眼鏡を手に取る
眼鏡を選ぶときに一番大切なのは、自分がかけていて楽しい、似合っている、と思えること。
「とくに老眼鏡の場合は、“老眼鏡なんか本当はかけたくない”という嫌々気分でいるよりも、“これをかけたら、どんな自分になれるのだろう?”とワクワクした気持ちになれるものを選ぶといいですね」
遠近両用など、常時かける眼鏡はシンプルなものを選び、常時かけるわけではないなら、いつもと違うおしゃれにチャレンジしてみるのも楽しみのひとつです。
仕事、遊び、家でなど、どんなシーンで使うかもイメージして。

「いいな」と思ったものは、棚に戻さずキープしておき、最後にじっくりと選びます。
「自分の出したい個性に合った眼鏡を選ぶだけで、印象をガラリと変えることができます。若々しく見せたいならフレームに明るい色を選ぶだけでも違いますよ」
眼鏡でがらりと変わる印象を楽しみながら選びましょう。
老眼鏡選びのポイント 04
鏡でフィッティング
手に取った眼鏡がどれくらい自分に似合っているのか、鏡を見ながらしっかりチェックしましょう。
鏡を見るときは、顔だけでなく、必ず全身を鏡でチェックすること。小さい鏡で見たときとは印象が全然違います。

顔だけが映る鏡ではなく、全身が映る鏡でしっかりチェック。横向きや髪型、服装にも変化をつけて、どんな印象になるか納得いくまで見るようにして
また、正面だけでなく横向きの姿がどんな感じに見えるかもチェックして。
「つい眼鏡だけに注目しがちですが、全体の印象をチェックするようにします。できれば店員さんにスマートフォンなどで、何枚か角度を変えて写真を撮ってもらうといいですね。客観的な見た目の判断に役立ちます」

写真で自分の眼鏡姿を客観的に判断。自然光に近い場所で人に撮ってもらうのがおすすめ
案外見落としがちなのが、眼鏡のサイズ。
基準は黒目の位置です。黒目がそれぞれのレンズ横幅のまんなかに来るのが基本です。
フレームの上下の幅が広いものは、黒目の位置が中央よりも少し上に来るものが適切。

黒目がレンズの上下左右の中央が基本。上下幅の広い眼鏡なら黒目が少し上になるように
サイズ感、かける位置は重要なので、ベストな位置がわからない場合は、店員さんに尋ねてみましょう。
老眼鏡選びのポイント 05
最後の決め手を持つ
「最後の決め手は、この眼鏡をかけたら、どんなふうに自分のスタイルや生活が変わるかな?と想像してみること。そこで一番ワクワクできる眼鏡をぜひ手に入れてみてください」
愛用のストールやジャケットなどを合わせたり、髪の毛を結んだり、前髪のアレンジを変えたりなど、いろいろな自分の眼鏡姿を確認するといいでしょう。
「かわいく」「かっこよく」など、将来なりたいイメージをもつことも判断材料に。

〈アフターケアも大切〉
眼鏡は、アフターケアがとても大切。
最低でも半年、できれば3カ月に1回は眼鏡店でフィッティングやクリーニングをしてもらいましょう。
とくにフレームはかけているうちにゆるんでくるので、こまめな調整が必要です。
外出先でレンズ汚れが気になったら、眼鏡店でクリーニングしてもらっても。購入した店でなくてもほとんどが対応してくれます。

〈監修/藤 裕美 イラスト/にしごりるみ 取材・文/工藤千秋〉
藤 裕美(とう・ひろみ)
眼鏡店勤務を経て、渡独しドイツの眼鏡ブランド「frost」で働く。現在は眼鏡スタイリストとして活躍するかたわら、2019年末に自身の眼鏡店「tÖ(トォー)」をオープン。著書に『あなたの眼鏡はここが間違っている』(講談社)など。https://to-o.co/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです