• 自分に合った、続けられるルールがあれば、部屋はそれほど散らからない。実験と工夫から生まれたルールを、洋裁作家手づくり暮らし研究家美濃羽まゆみさんに伺いました。
    (『天然生活』2019年12月号掲載)

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    「気づいたときにすぐやる」を心がけて

    築100年ほどの京都の町家で、家族4人暮らし。

    美濃羽まゆみさんは自宅のアトリエで洋服づくりをしています。

    画像: 2018年からアシスタントが週2回通うようになり、「打ち合わせをここでするうち、テーブルにものを置かない習慣が身につきました」。植物やヒンメリを吊るして、飾る楽しみも

    2018年からアシスタントが週2回通うようになり、「打ち合わせをここでするうち、テーブルにものを置かない習慣が身につきました」。植物やヒンメリを吊るして、飾る楽しみも

    毎朝、家族が出かけたら掃除・洗濯・夕食の下ごしらえまで1時間ほどですませ、仕事に取りかかります。

    子どもと一緒の時間を大事にしたいし、仕事も好き。どちらもかなえたくて定着したタイムスケジュールです。

    「片づけはもともと得意ではなかったけれど、家の中が整っていると気持ちいい。下の子が小学生になって子育てが少し落ち着いたので、最近は、気づいたときにすぐやるように心がけています」

    家族の物は“定位置”を決めてわかりやすく

    料理をしながらまわりをさっとふいたり、トイレに入ったついでに掃除したり。続きでやればわざわざ時間をとらずにすみ、いつもすっきり。

    掃除道具はしまい込むと億劫になるので、小さなほうきやウエスを家のあちこちに置いています。

    家族の物にも定位置をつくり、みんなにわかりやすく。

    「かばん、教科書、おもちゃ……子どものものはほぼすべてリビングにあるんです。宿題をするのも、絵を描くのも、結局、リビングのテーブル。教科書や文房具は勉強机にしまうとか、そういう“決まり”にとらわれず、家族の動線に合わせて置き場所を決めていきました。いまではみんなに定着して、片づけが楽になりましたね」

    画像: 家族の物は“定位置”を決めてわかりやすく

    かばんは有孔ボードにかけて、ひと目で見つけられるように。

    教科書やプリントはファイルボックスにまとめ、オープンラックの一番下の段に。

    出し入れしやすく、出かける準備もスムーズです。

    気持ちを切り替えて“やる気”を引き出す

    飾る場所をつくって、日常的に楽しんでいるのが、身近な草花。

    「庭で摘んだり、子どもがネコジャラシを採ってきたり。植物を飾ると、そのまわりだけでもきれいにしようって思えるんです」

    画像: 気持ちを切り替えて“やる気”を引き出す

    イライラ、モヤモヤしているときはふき掃除。無心になれて、気持ちも落ち着くそう。

    苦手だった片づけが、いまでは日常のリセットボタンになっています。

    「机の上に何も置いていないと、いつでもさっと物を広げて、やりたいことがすぐ始められる。整理整頓は、次にやることをスムーズにするための“準備”なんだって思うようになって、向き合い方が変わりました。“片づけ”というと気が重いけど、“準備”と思えばわくわくする。これをやっておけば、未来のわたしが助かると思うと、やる気が湧いてきます」



    〈撮影/辻本しんこ 取材・文/宮下亜紀〉

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    洋服作家、著者、講師としても活躍。著書に『FU-KO basics.長く楽しむ、子ども服』(日本ヴォーグ社)など。



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