本当に好きなもの、必要なものだけに囲まれて暮らす、フランス人作家のドミニック・ローホーさん。モノを減らすことは、心地よさと節約を同時にかなえること。ドミニックさんの“暮らしを小さくする知恵”から、今の暮らしに活かせるヒントを教わります。
(『天然生活』2024年7月号掲載)
(『天然生活』2024年7月号掲載)
好きなものをほんの少しだけ持つ

節約を心がけても、好きなものへのこだわりを捨てる必要はありません。
むしろ、シンプルに暮らすということは、自分の好きなものにこだわるということ。
私が愛用している食器は、輪島の漆塗りのもの。入れ子になるタイプで、合計10枚もないくらいです。これだけを毎日使っていて、ほかには食器を持っていません。
使い込むほどにつやも出てきて、とても気に入っています。
来客があり器が足りないときは、友人から借りてくるので困ることはありません。
歳とともに暮らしを小さくする

歳を重ねるほどに、大きな家のメンテナンスは大変になるもの。
小さなマンションなどに引っ越したほうが快適に過ごせるかもしれません。
そのほうが家賃や光熱費が安くなる場合もあります。それに伴い、家具や日用品も減らしていきたいもの。
たとえばタンスや衣装ケースを手放して、服は風呂敷に包んで保管してもいいでしょう。
そうやって年齢とともに暮らしをコンパクトにすることは、節約にとっても、ストレスなく過ごすうえでも大切なことです。
<取材・文/嶌 陽子 イラスト/松尾ミユキ>
ドミニック・ローホー(どみにっく・ろーほー)
フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスやアメリカ、日本で教鞭をとる。ものにとらわれず心豊かに暮らすシンプルな生き方を自ら実践しながら提唱し、著書は各国でベストセラーに。『シンプルに生きる』(幻冬舎)、『成熟とともに限りある時を生きる』(講談社)など著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです