口臭の強さは、1日の中でも変化する
お話を伺った方
Haleonジャパン オーラルヘルスケア研究員
陶山和明さん
オーラルヘルスの研究者として、「シュミテクト」「カムテクト」などHaleonジャパンのさまざまな商品開発に携わる陶山さんに、気になる口臭についてお話を聞きました。
そもそも「口臭」とは何を指すのでしょうか？
「口臭とは“口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭”と定義されます。口臭には“生理的口臭”と“病的口臭”があって、朝起きたときににおうとか、にんにくなど香りの強いものを食べた後に気になるなど、一時的なものが生理的口臭です。それに対して歯周病や糖尿病、肝疾患など何かしらの病気が原因となり、継続しているものが病的口臭になります」
口臭の強さは、1日の中でも変動があるそうです。
「唾液には、食べものを飲み込みやすくする、消化を促すなどの働きに加えて、抗菌作用があります。睡眠中は唾液の分泌が少なくなるので、口の中に細菌が繁殖しやすくなり、起床時に口臭が強くなる。これがいわゆる“モーニングブレス”です。朝食を食べて歯みがきをすると、一旦口臭はおさまるのですが、時間の経過と共に口臭の強さが上がっていき、また食事と歯みがきでリセットされます」
起床時だけではなく、空腹時やストレスを感じたときにも唾液の分泌が減るため、口臭が出やすくなるといいます。これを知っておくと、対策もしやすそうです。
日頃のケア不足が、お口のにおいの原因に
唾液分泌が不足する以外にも、口臭の原因はいくつかあると陶山さんは語ります。
「プラークは細菌の塊です。歯と歯の間、歯と歯茎の間など、歯みがきをしてもみがき残しやすい部分や、未処置の虫歯の穴、歯周病で深くなった歯周ポケットなどにプラークがたまると、においの原因になります。また、舌苔と呼ばれる舌の上の白い汚れも口臭のもととなります」
歯列矯正のためのリテーナーやマウスピース、入れ歯などお口の装具も清潔に保つことが口臭予防につながります。
「見た目には汚れていなくても、一度口の中に入れたものは細菌が繁殖しています。使用後は必ず専用の洗浄剤を使って洗浄するようにしてください」
適切な歯のケアを続けていても口臭を感じる場合は、病気が隠れていることもあるそうです。
「胃腸の調子が悪いと、消化不良の食べもののにおいが口臭となって現れることがあります。糖尿病や肝臓、腎臓の疾患が口臭の原因となることも。継続的ににおいが気になるときは、歯科医や医師を訪れて相談した方がいいですね」
家族のお口のにおいがいつもと違うなと感じたら、遠慮しすぎずに伝えて、適切な受診へとつなげることが大切です。
今日から始める、セルフケア
自分でできる口臭対策は、なによりもまず歯みがきだと強調する陶山さん。
写真奥左から）
ポリデント マウスピース洗浄剤 矯正用リテーナー・マウスガード・歯ぎしり用ナイトガード 48錠、
シュミテクト フューチャーホワイトケア ブライトミント（シュミテクトW1f、医薬部外品）、
シュミテクト 歯周病ケア＋口臭予防（シュミテクトzof2、医薬部外品）、
シュミテクト プラチナプロテクト EX（シュミテクトA1f、医薬部外品）
写真手前左から）
カムテクト 歯ぐきケア薬用ハミガキ（カムテクトAcf、医薬部外品）、
カムテクトコンプリートケアEX 薬用ハミガキ 口臭ケアプラス （カムテクト8if、医薬部外品）
「毎食後の歯みがきは、口臭対策だけではなく、歯周病予防、虫歯（う蝕）予防など口腔ケアの基本です。3分以上はかけて、歯ブラシを小刻みに動かしながら歯を1本ずつみがいてください。『カムテクト』は重曹配合の歯みがき粉で、プラーク除去に高い効果があります。知覚過敏があり、痛む部分のブラッシングがおろそかになりがちな方、いまは知覚過敏症状がなくてもワインや炭酸飲料をよく飲むなど知覚過敏のリスクの高い方には「シュミテクト」がおすすめです。それでも歯ブラシだけですべてのプラークは落とせないので、歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用して、プラーク除去率を100%に近づけていくことが重要ですね」
1回に使用する歯みがき粉の適量は1.5〜2cm。歯ブラシ全体を覆うくらいの量が目安だそうです。
歯ブラシを小刻みに動かして、1本ずつていねいにみがくことが大切。「シュミテクトハブラシ やさしく歯周ケア 3次元フィット」は毛先の細いシルキー毛でやさしく、届きにくいすき間まで効果的にみがくことができます
また、歯だけではなく、舌のケアも大切なポイントです。
「舌の清掃用ブラシなどで舌苔をとることが口臭予防に効果的です。ただ、ゴシゴシと力を入れると舌が傷ついてしまうので、力加減には気を付けてください」
年齢を重ねることで、歯と歯のすき間が空いてきたり、唾液の分泌が減ったり......。歯のケアも年代に応じて変えていくべきでしょうか？
「若いときに比べて免疫力が落ちていきますし、歯周病に罹患する方も増えてきます。基本的なケアは年齢に関わらず一緒ですが、悩みに合った歯ブラシや歯みがき粉を選ぶといいと思います」
「シュミテクトハブラシ やさしく歯周ケア 3次元フィット」は弾力ネックで歯ぐきにやさしく、立体型植毛で奥歯・歯間・歯面をしっかりみがけます
加齢に伴い減っていく唾液の分泌を促すためには、シュガーレスガムをかむことも有効だといいます。
セルフケアと併行して定期的に歯科を受診することも、お口の健康管理の上で大事だそうです。
「歯にトラブルが起きてから歯科に行くだけではなく、定期健診を受けて自分の今の状況をチェックするといいですね。口臭や知覚過敏なども歯科医に相談すると適切な治療やアドバイスをいただけると思います」
毎食後のていねいな歯のケアと、定期的な歯科健診をふたつの柱にして、口臭やお口のトラブルを未然に防いでいきたいですね。
※注：シュミテクト、カムテクトの歯みがき粉は6歳未満には使用させないでください。
＜撮影／星亘 取材・文／河合知子＞
