自分と周りの「だれか」のために備えて
ばんそうこうやかゆみ止め、ソーイングセット、さらには綿棒やつまようじまで。
後藤さんのバッグの中は、こまごまとしたものでいっぱいです。
「もともと心配性なので、何かあったときのためのものが多いんです」
後藤さんのバッグの中身

つまようじや綿棒、ソーイングセットなどの細かいものから、歯ブラシやリップ、ブレスケアなどの身だしなみセット、ビデオカメラなどの仕事用品までさまざま
ポーチをいくつも使って小物を仕分けているので、荷物が多くても、迷子のものはひとつもありません。
帰宅したらバッグの中身はすぐに点検、補充しています。
というのも、相手を待たせず名刺入れをさっと出したり、レジ前ですぐに財布を出したりしたいから。
気遣いと気配りの人であることが伝わってきます。

ボストンバッグなどの素材がしっかりしていてマチのあるバッグを使う場合は、上から見たときに、何がどこにあるかわかるよう、「縦に並べて収納」を心がけて
「昔は出したいものがなかなか見つからないことも。育児中、子どもが必要なタオルやティッシュをすぐ取り出さなければならず、それでずいぶんと鍛えられましたね」
育児が一段落したあとも、バッグをすっきり整理するくせは自分のため、そして周りの「だれか」のために活用しています。
荷物でいっぱいの後藤さんのバッグの中には、やさしい思いやりも詰まっています。
〈取材・文/嶌 陽子〉
※本記事は『別冊天然生活 後藤由紀子さん 50代からはじめる日々の備え』(扶桑社)からの抜粋です。
後藤由紀子(ごとう・ゆきこ)
静岡県沼津市で器と雑貨の店「hal」を営む。生活雑貨店「ファーマーズテーブル」などに勤務後、地元に戻り2003年に自身の店をオープン。ふたりの子どもは社会人となり、子育ても一段落。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。飾らない人柄が感じられる暮らしぶりや着こなし、もの選びのセンスも人気で、エッセイを20冊出版。近著に『雑貨と私』(ミルブックス)がある。
インスタグラム@gotoyukikodesu/@halnumazu
YouTube:@後藤由紀子と申します。