(『天然生活』2024年7月号掲載)
「服を手放す」ルール5
「他人軸」ではなく「自分軸」の服を選ぶ
その服を手に取った理由が「〜に見られたいから」だったら「他人軸」。「私がこうありたいから」や「私が心地いいから」だったら「自分軸」。
他人軸はコロコロと変わるものであり、自分を苦しめるだけなので、さっさと手放すのが一番です。
「似合うかどうかも結局は他人の評価。自分がしっくりくればいいのです。私も昔は『おしゃれに見られたい』という他人軸で服を買っていましたが、いまは他人にどう評価されようと、今日の自分に満足しています」

「服を手放す」ルール6
手放すことは、所有者が変わるだけ
服を手放す=捨てると考え、罪悪感にさいなまれてしまうという人も。
最近は寄付、フリマアプリ、買い取りをしてくれる中古品ショップなど、捨てる以外の選択肢がいろいろあります。
「服によってどの方法だったら手放せるかを判断しながら、次の人にバトンタッチする意識をもって。次の人に喜ばれたり大切にされたりしているシーンを思い浮かべると、手放すことを前向きに捉えられるはずです」
「服を手放す」ルール7
手放せないのは、服とひもづく“概念”と考える
服が捨てられないのは、実は服にひもづいていて自分が大事と思い込んでいる考え方や信念を捨てられないから。そこで捨てられない服を前にしたら、一度自分がどんな概念を大事だと思い込んでいるのかを考えてみましょう。
「たとえば、“数の多さ=豊かさ”という思考や、“自分の一部が消えてしまいそう”“ものがないと思い出も消えてしまう”といった思い込みなど。私も以前はこうした考えをもっていましたが、服を手放すことで自然と書き変わっていきました」
「服を手放す」ルール8
買ってはいけないと決めつけない
クローゼットの整理を始めて、ある程度数が減ると「買ってはいけない病」にかかりがち。
「そんなときは買うことを自分に許してあげてください。自分の軸に気づき、服に対する考え方が変わったあとだからこそ、見えてくるものがあります。大事なのは服の数ではなく、いまの自分とワードローブが合致しているかということ、そして1着ずつに目をかけているかという“濃度”。クローゼットにゴールはない。変わりつづけていくのが本来のあり方だと思います」
〈監修/昼田祥子 取材・文/嶌 陽子 イラスト/須山奈津希〉

昼田祥子(ひるた・さちこ)
ファッションエディター歴21年。出版社勤務を経てフリーランスに。2016年に大規模なクローゼットの片づけに着手、その体験を綴った著書『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』(講談社)が話題に。2023年からは瞑想インストラクターとしても活動中。
インスタグラム:@hiru.1010
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです