ぷくっと膨らんだ後の「オオカミの口」が、成功の合図

「スコーンって、混ぜ方ひとつで食感が変わるんです」とは、「甘堂ふわ作」パティシエの照井昌子さん。
ボウルにすべての材料を入れて軽くまとめるやり方ならほろほろの食感に、今回のように生地を「重ねて」「伸ばして」を繰り返し、層をつくれば、ふっくらと膨らみ、パイのようなさっくりとした食感も楽しめるのだそう。
「スコーンがふくらみ、側面にできた割れ目のことを、『オオカミの口』っていうんですよ。これが現れたら、成功です」
甘さ控えめな配分で、食事にもおやつにもなる1皿に

「甘堂ふわ作」さんから教えていただいたのは、朝食にも、おやつにもなる甘さ控えめタイプのスコーン。
「塩けのあるハムや野菜を挟んで食事として味わったり、ジャムを乗せて甘いおやつとして食べたり、いろんなシーンで使えるレシピにしました。ぜひ、いろいろな食べ方を楽しんでください」
基本の「スコーン」のつくり方

材料(約8個分)
A | |
・ 薄力粉 | 250g |
・ グラニュー糖 | 30g |
・ ベーキングパウダー | 9g |
・ 塩 | 2g |
● バター | 66g |
B | |
・ 卵 | 1個(Sサイズ) |
・ 牛乳 | 84mL |
下準備
a オーブンを195度に予熱する。
b 天板にオーブンシートを敷く。
c バターを1cm程度の角切りにし、冷蔵庫で冷やしておく。
d ボウルにBを入れ、混ぜて冷蔵庫で冷やしておく。
つくり方
1 ボウルにAを入れ、材料を散らすように混ぜる。
2 cを冷蔵庫から取り出し、1に入れ、カードを使って切るように混ぜていく。
3 粉チーズのような状態になったら、冷蔵庫から取り出したdを加え混ぜ、全体をまとめる。
4 まな板などに取り出し、打ち粉(分量外)をしながら生地を四角くまとめ、まとまったら半分に切り、重ねる。これを3回繰り返す。

四角くまとめ、

半分に切り、

重ねる。これを3回繰り返す
5 ラップに包み、冷蔵庫で2時間以上冷やす。
6 5を冷蔵庫から取り出し、冷やして落ち着いた生地をさらに2等分に切り、重ねる。約2cm厚さに四角く伸ばす。8等分に切る。(型で抜いても良い)
7 オーブンで20〜25分ほど、焼く。
<料理/甘堂ふわ作 スタイリング/池 亜希子 撮影/星 亘>
* * *
甘堂ふわ作(かんどうふわさく)

東京・三鷹台にある小さなお菓子屋さん。オーナーは照井由利子さん、パティシエは照井昌子さんの、姉妹が営むお店。昌子さんは製菓学校で学んだあと、洋菓子店やカフェの仕事を経て、独立。マルシェやイベントなどでお菓子を販売するようになり、2019年にお姉さんの由利子さんとともに「甘堂ふわ作(かんどうふわさく)」を開店。スコーンやマフィンにプリン、そして、季節のケーキなど、素朴でやさしい味わいのお菓子にじわじわとファンが増え続け、いまではたくさんの常連さんが通う地元の人気店に。
インスタグラム@kfuwasaku
●住所:東京都三鷹市井の頭2丁目7-1
●OPEN :水・木・土・日曜/12:30~20:00(お菓子がなくなり次第、終了)