• 料理家で発酵マイスターの榎本美沙さんに、「すだちとキウイのビネガー」と、アレンジレシピ2つを教わりました。果実酢づくりのポイントは、氷砂糖を使うこと。氷砂糖の大きな結晶がゆっくり溶けて浸透し、すだちがもつさわやかさと、ほんのりとした苦味、キウイの鮮烈な香りと酸味をじっくり引き出します。保存びんの中に旬のおいしさを閉じ込めて、食卓に秋の風を吹かせませんか?

    秋の柑橘「すだち」で、ゆっくり楽しむ仕込みもの

    「すだち」は徳島県の名産品。手のひらに乗る小さな柑橘で、青々としてスパイシーな香りとシャープな酸味が持ち味です。初秋に収穫される露地ものが香り高く、さんまやさけなど秋の食材との相性も抜群です。そのまま果汁を絞って使ってもよいですが、氷砂糖とお酢に漬けてビネガーにすると、より長い期間楽しむことができます。

    画像: 秋の柑橘「すだち」で、ゆっくり楽しむ仕込みもの

    梅仕事をはじめとした、果実のビネガーやシロップづくりが大好きと語る榎本さん。旬のおいしさを逃さないように、氷砂糖で仕込むことも多いそうです。

    そんな榎本さんが今回すだちに合わせたのは、トロピカルな香りが魅力のキウイ

    「秋にも暑い日が続くことが多いので、さわやかさを感じる組み合わせを考えました。キウイは、はじけるような酸味に加えてフルーツらしい甘味があります。すだちの持ち味である心地よい苦味に合わせると、味の輪郭が立つと思って。色がグリーン同士で、断面もかわいい。漬けたときに美しく見えるのも、この2つを選んだ理由です」

    氷砂糖を使った
    すだちとキウイのビネガーのつくり方

    フルーツの味と香りを氷砂糖が引き出して、まろやかなりんご酢に溶け込ませた、自家製の果実酢。氷砂糖と果実、お酢を同じ分量で漬けるので、初めてでも挑戦しやすいレシピです。

    「氷砂糖を使った果実酢って、優秀なんです。マリネなどの料理に入れるとぐっと香りがよくなるので、わが家では南蛮漬けやあえものづくりに欠かせません。氷砂糖を使うと、すっきりした甘味で素材の味をシンプルに味わえるのがいいですよね」

    画像: 氷砂糖を使った すだちとキウイのビネガーのつくり方

    そう話しながらつくってくれたのは「すだちとキウイのヨーグルトラッシー」ヨーグルト3:牛乳1に、すだちとキウイのビネガーを好みの量加えて混ぜ合わせます。とろりとして飲みやすいドリンクの中に、ビネガーのさわやかさとやさしい甘み、すだちのかすかな苦味が広がります。

    「炭酸で割ってスカッシュにしたり、水割りもおいしいですよ。すだちもキウイも料理に合わせやすい食材だから、とても使い勝手のよい果実酢です。ぜひつくってみてくださいね」

    材料(約750mL分)

    画像: 材料(約750mL分)
    ● すだち4〜5個(約100g)
    ● キウイ1個(約100g)
    ● 氷砂糖200g
    ● りんご酢(または米酢)200mL

    基本の分量 1:1:1(氷砂糖:果実:酢)

    下準備

    ● 保存びんを煮沸消毒またはアルコール消毒する。

    つくり方

     すだちはよく洗い、水けをふく。へたを切り落とし、へたの部分を横にして2〜3mm幅の輪切りにする。種は取り除く。キウイは皮をむいて1cm厚さの半月切りにする。

    画像1: つくり方

     保存びんにすだちとキウイの1/3量を入れ、その上に氷砂糖1/3量をのせる。残りも交互に入れ、一番上に氷砂糖がのるようにする。

    画像2: つくり方

     酢を注ぐ。ふたをしめて室温におく。

    画像3: つくり方

     1日数回びんをゆすり、3〜5日ほどして氷砂糖が溶けたらでき上がり。すだちを取り出して、冷蔵庫で保存する。

    画像4: つくり方

    保存期間:冷蔵庫で1カ月保存可能

    榎本さんのひと工夫

    ●キウイはやわらかいとびんの中で崩れてしまうので、熟しすぎていないものを選ぶとよい。
    ●すだちは皮部分から苦みが出るので、氷砂糖がすべて溶けたら取り出し、冷蔵保存して3~4日程度で使い切るとよい。
    ●キウイは漬けたままでもよいが、実がやわらかくなるため、氷砂糖が溶けたら2~3日程度で食べ切るのがおすすめ。

    すだちとキウイのビネガーを使ったアレンジレシピ①
    さけの塩麹ソテーのつくり方

    画像: すだちとキウイのビネガーを使ったアレンジレシピ① さけの塩麹ソテーのつくり方

    秋に味わいを増すさけを塩麹で漬けて焼き、すだちとキウイのビネガーを使ったソースをかけたひと品。

    さけは、塩麹の力でふっくらとうま味たっぷりの焼き上がり。ヨーグルトを入れたソースから甘酸っぱさとフレッシュ感が広がり、魚のくさみも気になりません。

    「さけは皮目から焼くのがコツ。塩麹で漬けたさけはこげやすいので、火加減に注意しながらこんがりとさせてください」

    材料(2人分)

    ● 生さけ2切れ(約200g)
    ● 塩麹(市販品でもよい)大さじ1
    ● 薄力粉適量
    ● オリーブオイル大さじ2
    ● クレソン適量
    ● すだちとキウイのビネガーのすだち適宜
    <ソース>
    ・すだちとキウイのビネガー大さじ1
    ・プレーンヨーグルト大さじ1
    ・塩麹 (市販品でもよい)小さじ1
    ・すだちとキウイのビネガーのキウイ4切れ

    つくり方

     さけに塩麹をからめ、15分ほど冷蔵庫におく。塩麹を軽くぬぐい、薄力粉をまぶす。

     フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、のさけを皮目から入れて3〜4分焼く。裏返してさらに3〜4分、火が通るまで焼く。途中で傾けて、全面に焼き色が付くようにする。

     ソースをつくる。小さめのボウルにすだちとキウイのビネガー、プレーンヨーグルト、塩麹を入れて混ぜる。ビネガーのキウイを1cm角に切って加え、混ぜる。

    画像5: つくり方

     器にを盛り、クレソンを添える。のソースをかけ、好みでビネガーのすだちをのせる。

    すだちとキウイのビネガーを使ったアレンジレシピ②
    根菜のグリルサラダ ビネガードレッシングがけのつくり方

    画像: すだちとキウイのビネガーを使ったアレンジレシピ② 根菜のグリルサラダ ビネガードレッシングがけのつくり方

    ごぼうやれんこんなど、食物繊維がたっぷりの根菜を使ったグリルサラダ。仕上げにかけるのは、すだちとキウイのビネガーを使った、さっぱりとしたドレッシングです。

    すだちとキウイのビネガーに含まれるクエン酸で、残暑の疲労回復にも効き目がありそう。料理の上にのせたすだちとキウイに氷砂糖の甘味がしみ込み、サラダのおいしいアクセントになっています。

    材料(2〜3人分)

    ● れんこん1/2節(100g)
    ● ごぼう1/2本(75g)
    ● にんじん1/3本(50g)
    ● オリーブオイル大さじ1
    ● 塩、こしょう各少々
    ● すだちとキウイのビネガーの果実適量
    <ドレッシング>
    ・すだちとキウイのビネガー大さじ1
    ・オリーブオイル小さじ2
    ・塩ひとつまみ
    ・こしょう少々

    つくり方

     れんこんは皮つきのまま、厚さ7mmの半月切りにする。ごぼう、にんじんはともに皮つきのまま乱切りにする。

     ドレッシングの材料を混ぜ合わせる。

     フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、を入れる。転がしながら6~7分かけて全面を焼き、塩、こしょうをふる。

     器にを盛り付け、ビネガーの果実をのせ、をかける。

    画像6: つくり方

    榎本美沙(えのもと・みさ)
    料理家、発酵マイスター、国際中医薬膳師。季節感のあるレシピや、少量から手軽に作れる発酵料理が好評で、Youtube「榎本美沙の季節料理」のチャンネル登録者は39万人を超える。近著に『毎日、水キムチ いちばん手軽な乳酸発酵』がある。オンライン料理教室『榎本美沙の料理教室』主宰。
    インスタグラム:@misa_enomoto
    YouTube:榎本美沙の季節料理

    もっと氷砂糖のレシピを知りたい人は

    全日本氷糖工業組合 | 旬の果実でおいしく楽しい氷砂糖

    画像: 氷砂糖でつくる「すだちとキウイのビネガー」のつくり方と、2つのアレンジレシピ。秋の食卓に“旬の果実”のおいしさを|氷砂糖で楽しむ家仕事/榎本美沙さん

    氷砂糖でくらしをもっとカラフルに。梅酒づくりでおなじみの氷砂糖は、じつは梅以外の果実とも相性Good。色とりどりのフルーツを使って手づくりを楽しめる氷砂糖の世界、あなたものぞいてみませんか。

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    協力/全日本氷糖工業組合
    http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/

    〈料理/榎本美沙 撮影/山川修一 取材・文/河合知子〉

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