(『災害からテロ、ミサイル攻撃まで まさか⁉の非常事態で「死なない技術」』より)
カンパンでなくてもOK! 「都市の非常食」を考えるポイント
ライフライン寸断時、家にとどまれるのであれば、まずは冷蔵庫の中の食料を消費すること。保存のきく食料に手をつけるのはその後です。
基本的にゴーバッグ(非常用持ち出し袋)は、72時間を生き延びる想定でつくられます。
食べ物は3週間なくても生存できるので、本来は入れる必要はないのですが、やはり食べ物があると元気になれます。
私が非常食に求める条件は、コンパクトに持ち運べ、保存期間が長く、カロリーが高いこと。少量でエネルギーが多く得られるほうが効率的と考えるからです。とにかく、自分が元気になれる食べ物は何かを考えるとよいでしょう。
非常食というと乾パンの名がよく出ます。たしかに日持ちがとてもよく軽量な乾パンは保存食に適していますが、消費期限が管理できれば保存食と定義されていない食べ物でもかまいません。
私は以下に紹介しているものを非常食にしています。条件さえ満たしていれば好みで選んでいいと思うので、皆さんも自分なりの非常食を考えてみてはいかがでしょうか。
川口さんおすすめの「非常食」
カップラーメン

これで元気が出るという人は多いと思います。私は3日間生き延びたときなどに食べるごほうび用として、好みのシーフード味を入れています。
缶詰

重いですが、長期保存ができて、しかもおいしいものもたくさんある。火にかけることもできるし、空き缶を料理する鍋や食器として使うこともできます。
「カロリーメイト」

エネルギーや栄養のことを考えてつくられている食品は、持っていると安心感があります。とりあえずこれを食べればいいという気にさせてくれます。
ナッツ類

高カロリーで体温を上げてくれる。サバイバルスクールでは、夜寒くて目が覚めたら上着を羽織るよりナッツをひとつまみ食べるようにと教わりました。
本記事は『災害からテロ、ミサイル攻撃まで まさか⁉の非常事態で「死なない技術」』(扶桑社ムック)からの抜粋です
<文/川口 拓、原 太一(Great Rhythm) 写真/原 太一(Great Rhythm)>
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非常事態で死なないためにやるべきことの優先順位は、死ぬまでの時間の短さで決まっていく。また、非常時では考えなくむやみやたらに動いてはいけない。もちろん危険を回避するのが最優先だが、まずは止まって考えて、観察して、計画を立てて、リスクのすくない行動をとらなければならない。この本では、そんな、死なないための基礎からスタートして、「死なないための基礎知識」「死なないための技術」そして、実際の非常事態を想定した「死なないための行動術」を紹介していく。
川口 拓(かわぐち・たく)
1990年代よりカナダ、アメリカのサバイバルスクールでサバイバル技術やネイティブアメリカンの古来の教えを学び、2001年にブッシュクラフトやサバイバルの技術を伝える自然学校「WILDANDNATIVE」を設立。地球とのつながりを感じる自然体験プログラムを実施している。2013年に一般社団法人「危機管理リーダー教育協会」を設立。執筆活動、テレビや雑誌などのメディア協力も積極的に行い、技術を広く共有している。CMLEブッシュクラフトインストラクター養成トレーナー、Japan BushcraftSchool校長、Japan Urban Survival School校長、自衛隊危機管理教官、自衛隊サバイバル教官。