9月になり、猫たちに変化が
9月に入っても、まだまだ夏の名残の暑さが続いています。
けれども猫たちはもう秋を先取りしているようで、よく眠る姿が増えてきました。
我が家の15歳の男の子「でかお」も、そのひとり。
この子はもともと「おおらかで頼れる猫たちのリーダー」タイプなのですが、最近はやたらと「一緒に寝よう」と、いそいそ私と夫をベッドに誘ってきます。
人間でいえば70歳を越えたあたり。甘えん坊になるのも自然な流れなのかなあ、とでかおに導かれ、ついつい私たちも昼間なのにベッドへ……。
面白いことに、いざベッドに来てみると、でかおは私たちを置いて「もうたまらん」とばかりに、あっという間にスヤア……。
そしてその横には、若い子たちまでつられて大集合。
結局、人間2人と猫たちで、昼寝部屋は定員オーバーです。

一緒に寝ましょうよ、、、とキラキラした瞳で待つ「でかお」

みんなでお昼寝
猫は「自律神経を整える天才」。夏の疲れをいやすお手本に
「猫は自律神経が優れている」とよく言われますが、季節の変わり目に寝だめをするのは体のバランスを取っているからなのかもしれません。
そんなことを言いつつも、51歳と46歳になる私たち夫婦のほうも同じく、年々「昼寝がやけに心地よいお年頃」になってきた気がします。
暑いけど、季節は着実に変化している……。
そんな不安定な時期に、私たち家族が、猫たちに気をつけてあげたいことをまとめてみました。

夏疲れの猫をサポートするアイデア
・水分補給をしやすくする
涼しくなってくると水を飲む量が減りがちです。お気に入りの器や少しぬるめの水を、家中のあちこちに置いてみましょう。
・寝場所を工夫する
ひなたぼっこスペースと、涼しいフローリング両方を用意すると猫が選べます。

「お日さまサイコー」の「でかお」
・食欲チェック
寝てばかりでも、ごはんは食べているか。少しでも変化を見逃さないことが大切です。
・無理に起こさない
眠りは猫の「自然なお薬」。寝すぎ?と不安になることもありますが、一緒にうとうとするくらいの余裕が、私たち家族にも心地よい時間になります。
自然に沿って心身を整えることを猫から学ぶ
「老化」といえば大げさですが、年々変化していく、猫と私たちの体。心。
猫たちの寝姿につきあって一緒にお昼寝すると、「ああ、まだまだ成長の途中なのかもしれないな」と身に沁みます。
「自然」に寄り添いながら、季節とともに心身を整える。
そんな猫たちの習慣を見習って、私たちももう少し素直に昼寝を楽しんでもいいのかもしれませんね。
眠る猫の隣でまどろむと、どこからともなく安心がやってきます。
やっぱり猫は、最高のセラピストですね。

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咲セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。
ブログ「ちいさなチカラ」