(『天然生活』2024年11月号掲載)
「ゆで大豆とトマト野菜煮込み」のつくり方

豆や野菜がふんだんに入っているから、ベーコンは味出し程度で十分。大豆のしっかりとした食感がいいアクセントに。
大豆(ま=豆・大豆)の栄養
大豆は脳の働きに効果的なビタミンB群のほか、タンパク質、脂質、糖質、ビタミンE、カリウムなど栄養素が豊富。一日一食は何かしらの大豆食品を取り入れて。食感を残してかためにゆでた大豆をストックするのがおすすめ。
材料(2人分)
● ゆで大豆 | 2カップ |
● にんにく(みじん切り) | 小さじ1 |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
● ベーコン | 50g |
● 玉ねぎ | 1/2個 |
● セロリ | 1本(葉は除く) |
● 白ワイン | 大さじ3 |
● トマト水煮缶(ホール) | 2カップ |
● ズッキーニ | 1本 |
● ナンプラー | 大さじ1 |
● 塩、こしょう | 各少々 |
つくり方
1 ベーコンはみじん切り、玉ねぎは薄切り、セロリは5cm長さの薄い短冊切りにする。トマトの水煮はくずす。ズッキーニは小さめの乱切りにする。
2 厚手の鍋ににんにく、オリーブオイルを入れ、中火で炒める。香りが立ったらベーコンを加えて炒め、脂が出てきたら玉ねぎ、セロリを順に加えてしんなりするまで炒める。
3 ゆで大豆、白ワイン、トマトを加え、弱火にしてふたをせずに10分ほど混ぜながら煮る。ズッキーニを加えて混ぜ、味をみてナンプラーを加え、さらに10分煮る。塩、こしょうで味をととのえる。
物忘れ防止のための食事のすすめ
「物忘れと認知症は似て非なるものです。物忘れが増えると不安に感じることもあると思いますが、生活に支障のない物忘れはいわば黄色信号。認知症を遠ざけるような生活習慣、食事を心がけるとよいですね」と、医学博士の朝田隆先生。食生活については何より栄養バランスが大事だそう。
医学博士の吉村裕之氏が提唱しているバランスのよい食事の合言葉「まごわやさしい」に加えて、朝田先生は「た(卵)」「ち(チーズ・乳製品)」「に(肉)」を加えた「まごたちわやさしいに」の提案をしています。
「とくに、脳の約4割を構成しているタンパク質は積極的に摂りましょう。また、よく噛んで食べることで脳の刺激になり、歯ぐき、舌、頬などの筋肉に活力を与えて『脳活』にもつながります。野菜なら歯ごたえよくゆでるなど、心がけてみてください」
さらに、食事内容も当然ながらシチュエーションも大切とのこと。
「アメリカで行われた研究によると、持続的な孤独を感じている人は、孤独を感じていない人に比べて認知症の発症リスクが91%も高いことがわかりました。食事もひとりでではなく、家族や友人と摂ることが大切だと考えます。高齢者のための会食イベントを実施している自治体もありますし、オンラインで会食するというのもひとつの手です。ぜひ、食事の時間を楽しくおいしく過ごしてください」
「まごたちわやさしいに」の主な栄養素
ま[豆・大豆]…タンパク質、ビタミン、不溶性食物繊維など
ご[ごま]…脂質、タンパク質、不溶性食物繊維、カルシウムなど
た[卵]…必須アミノ酸など
ち[チーズ]…タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、カルシウムなど
わ[わかめ・海藻]…ビタミン、ミネラル、食物繊維など
や[野菜]…ビタミン、ミネラル、食物繊維など
さ[魚]…タンパク質、鉄分など
し[しいたけ・きのこ]…ビタミン、不溶性食物繊維、カリウムなど
い[いも類]…炭水化物、ビタミンC、食物繊維など
に[肉]…タンパク質、L-カルニチン、鉄分など

〈監修/朝田 隆 料理/松田美智子 撮影/山田耕司 取材・文/結城 歩〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命』(文化出版局) amazonで見る など。
インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu
朝田 隆(あさだ・たかし)
医学博士。認知症治療・予防の第一人者。筑波大学名誉教授。2015年にメモリークリニックお茶の水を開院。理事長・院長を務める。『面白いほどわかる シニアのための脳の新常識』(宝島社)など著書多数。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです